ここに注目です。
明日から(10月1日)最低賃金の引き上げが各都道府県で、順次始まります。
初めての時給1000円越えも登場です。
竹田解説委員に聞きます。
【 これはマラソンを走っているところですか? 】
そうなんです。今回は大河ドラマの「いだてん」のイメージです。
ちゃんと足袋(たび)もはいて走っています。
なぜ、マラソンかというと、
最低賃金というのは、
毎年、国が、時給でいくら上げるか、目安を決めるんですが、
最終的には、それをもとに各都道府県が決めるんです。
つまり、全国47人のランナーが、
長い長い賃上げのレースを競ってると。
先頭は東京都で1013円。
続く神奈川県が、1011円。
最低賃金が1000円を超えるのは、いずれも史上初めてです
【 他のところは、どうなっているんですか? 】
はい、働く人の数も合わせた全国の加重平均は、901円。
一番時給が低い所は790円。
ここで15の県が集団を作っています。
【 トップとはかなり開いてますが? 】
問題はそこなんです。
この最下位グループと、トップとでは220円以上の開きがある。
時給でこれだけ開きがあると、
若い人や、貴重な戦力である外国人労働者が
時給の高い方に移っていく可能性が指摘されているんです。
【 なぜこんなに開きがあるんですか? 】
まず、そもそも日本の最低賃金が低いんです。
イギリスやフランス、ドイツの7割程度しかない、と言われます。
そこで安倍政権は
早期に平均1000円を目指す、と旗を振っているんですが、
最近、中小企業などからは、
引き上げのペースが速すぎる、ついていけない、と批判が強まっている。
【 どうすればいいんですか? 】
そこで今、政府では、
省庁横断的に検討会のようなものを作って
中小企業が賃上げできる環境を作るため、
いろんな支援策を考えようという動きもあります。
ただ、実際に平均1000円が達成されても、
それで普通に働いたとして、
年収は200万円ぐらいです。
今の日本の最大の課題は少子化です。
働けば、チャンと生活できて
子供を産み育てられるような社会にするためにも、
最低賃金の引き上げは。
今後ますます重要になると思います。
(竹田 忠 解説委員)
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