NHK 解説委員室

解説アーカイブス これまでの解説記事

「欧米金融緩和で どうする日銀」(ここに注目!) 

神子田 章博  解説委員

日銀の金融政策を決める会合がきのうから行われ、きょう議論の結果が発表されます。

C190919_0.jpg

Q 神子田さん、この絵は、ええっ?銀行にお金を預けると手数料をとられる、こんなことがあるんですか?
A いますぐこうなるというわけではないんですが、日銀が金利をどんどん下げていくとこういうことも起こりうるということです。日銀の政策決定会合にも参加する審議委員が先月の講演でその可能性を指摘しました。米中の経済摩擦が激化し、世界経済の減速が鮮明となる中で、各国の中央銀行はこぞって金融緩和のカードを切っていて、先週はヨーロッパ中央銀行が政策金利をマイナス0点4%からマイナス0点5%に引き下げ、アメリカの中央銀行に当たるFRBも日本時間のきょう未明、7月に続いて政策金利を0点25%引き下げ、さらなる利下げの可能性も示しました。
こうした中で、日本だけが動かないとなると、円高が進み、企業業績の悪化や株安を招くのではないかと懸念する声が出ています。

C190919_3.jpg

Q 日銀は動くんですか?
A 日銀にも金利引下げという手がないわけではないのですが、欧米と違って切れるカードは限られています。というのはこれ以上金利を下げると金融機関の経営に影響が及ぶなどの副作用が強まるからです。銀行は、客から預かったお金をより高い金利で貸し出すことで利ザヤを得る。それが主な利益となってきたわけですが、あまりにも金利が低くなると利ザヤをほとんど稼げなくなります。その結果なんとか別の方法で利益を確保しようと、預金に対して手数料をとるということが現実のものとなる可能性があるんです。来月には消費税率が引き上げられ、家計の出費が増える中で、この上銀行に手数料まで取られては、財布のひもが一段と締まり、かえって景気に悪いということになるかもしれません。

C190919_5.jpg

Q 日銀が打てる手は限られているんですね?
A そうですね。となると、その限られたカードをいつ切るのか慎重に考える必要があります。あまり必要のない時に使ってしまったら、この先、経済の落ち込みが深刻になったときに打つ手がないということになりかねないからです。こうした中で日銀は、きょうの円相場の動きなども見極めながら、次の一手を打つタイミングを探っていくものと見られます。
            
 (神子田 章博 解説委員)

キーワード

関連記事