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「2020へ出場決めるか? パラ競泳世界選手権」(ここに注目!)

竹内 哲哉  解説委員

来年の東京パラリンピックの代表内定がかかるパラ競泳の世界選手権が9日から7日間の日程で、イギリスのロンドンで行われています。竹内哲哉解説委員です。

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Q.木村敬一選手と富田宇宙選手、魚に乗っているようですが、これはトビウオですか?
A.そうです。障害者水泳日本代表チームの愛称「トビウオパラジャパン」にかけてみました。トビウオのように大海を突き進み世界で飛躍して欲しいという意味が込められています。

Q.パラリンピックの代表内定や出場枠獲得は、どのように決まりますか?
A.2位以内に入ると日本に出場枠が与えられ、優勝だと東京パラリンピックの代表に内定します。

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Q.竹内さんの注目の選手は?
A.男女合わせて14人が出場していますが、男子はさきほどの2人に加え、運動機能障害の鈴木孝幸選手、知的障害の東海林大選手と中島啓智選手です。それぞれ世界ランキング1位の得意種目を持っています。女子は若手が伸び盛りで、国際大会でもメダルを獲得するなど力をつけてきています。

Q.ライバルはどこの国になるでしょうか?
A.今大会にはおよそ80の国と地域から650人の選手が参加していますが、それぞれの国でレベルがあがってきています。なかでもパラリンピックのメダル常連国、中国、ウクライナ、イギリスは強者ぞろいです。そして、もうひとつ、特に警戒しなければならない国があります。

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Q.どこでしょうか?
A.ロシアです。国ぐるみのドーピング問題で国際大会への参加資格の停止処分を受けていましたが、およそ4年ぶりに世界の舞台に戻ってきました。もともとパラ競泳の強豪国で、2015年の世界選手権ではもっとも多くのメダルを獲得しています。今大会も、すでに4つの金メダルを獲得していますので、その実力は計り知れません。

Q.ライバルとのしのぎあい、なかなか厳しそうですね。
A.大会初日は残念ながら、日本はひとつも来年のパラリンピックの出場枠を獲得することはできませんでした。しかし、いずれも力のある選手たちですし、まだ大会は始まったばかりですから、得意種目もたくさん残っています。これから実力を発揮して、ひとつでも多くの出場枠を獲得して欲しいと思います。

(竹内 哲哉 解説委員)


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