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「どうなる内閣改造・自民党役員人事、安倍首相の思惑は」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

11日行われる内閣改造・自民党役員人事について

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Q)指揮者姿の安倍首相がいるが。
A)今回の人事、指揮するうえで特に重視するのは、自民党総裁としての残りの任期、つまり2021年9月末までの2年間の求心力を維持する音楽を奏でることだろう。
なかでも最も重要な曲目は、衆議院の解散・総選挙だ。

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Q)どういうことか。
A)衆院議員は10月、4年の任期を折り返す。
いつ選挙があってもおかしくないと考え始めるだけに、安倍首相が自ら打って出るのか、後任に委ねるのかに関心がいっそう集まることになる。
そんな中、安倍首相は、麻生副総理兼財務相と菅官房長官、それに二階幹事長を続投させる方針を早々に固めた。
大型国政選挙で勝利を重ねた政権の骨格を維持し、いざとなれば自らの手で解散・総選挙に踏み切る可能性を残すことで、政権運営の主導権は手放さない決意を示した形だ。

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Q)他にも、どんなことがあっても奏でたい曲目があるようだが。
A)それが、憲法改正だ。10月には臨時国会が控えており、残りの任期を考えれば、懸案の国民投票法改正案の成立と、自民党の改憲案を提示できるかが重要だ。
ここ1年、自らに近い議員を起用しながら国会論議が思うように進展しなかっただけに、二階幹事長らを中心に党を挙げて世論に訴え、野党側への働きかけも強めることになりそうだ。
さらに今回の人事では、安倍首相の任期後をにらんだものになるかどうかも注目だ。

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Q)“ポスト安倍”か。
A)次をうかがう自民党議員の心理を巧み操り、競わせる配置とするかがポイントだ。
11月には通算在職日数が憲政史上最長となる安倍首相だが、過去の長期政権末期には、人心の掌握が難しくなり、求心力を急速に失ったケースも少なくない。
それだけに、当選を重ねながら一度も入閣した経験のない“入閣待機組”からの起用も含め、慎重に人選を進めるはずだ。

(曽我 英弘 解説委員)

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