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「ミサイル発射続く北朝鮮 政府対応は?」(ここに注目!)

権藤 敏範  解説委員

北朝鮮は、7月下旬から先月にかけてミサイルの発射を繰り返しました。日本政府はどのように対応していくのか。権藤解説委員です。

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Q)このイラストは、北朝鮮から次々にミサイルが発射されている様子ですね?
A)北朝鮮は、過去に例のないペースで7回にわたってミサイルを発射し、政府は、このうち3回が、新型の短距離弾道ミサイルだったと分析しています。
政府は、国連安保理決議に明確に違反していると抗議しましたが、関係者の中には、「最近の国際情勢が、北朝鮮に誤ったメッセージを送っている」と指摘する人もいます。

Q)どういうことですか?
A)アメリカのトランプ大統領が、「短距離ミサイルは多くの国が実験を行っている」として、問題視しない考えを示していることです。
また、韓国が、先月下旬、秘匿性の高い軍事情報をやりとりするために日本と結んだGSOMIAの破棄を決めたことも挙げられるでしょう。北朝鮮のミサイル対処にあたっては、ほとんど影響がないという見方もありますが、日米韓3カ国の安全保障体制に亀裂が入ったと周辺国に受け取られるのはマイナスでしかありません。

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Q)そもそも北朝鮮は、どうしてミサイル発射を繰り返すのですか?
A)去年は中止された米韓合同軍事演習が、先月、行われたことへの反発だと見られています。また、トランプ大統領が問題視していない間に発射実験を繰り返すことで、国防力を強化しているという見方もあります。

Q)日本に直接の影響はないとしても、これだけ発射が続くと不安にもなりますね?
A)短距離といえども撃ち方によっては日本に届きますし、北朝鮮が、今回の一連の発射で獲得した技術を、より射程の長いミサイルに転用しないとも限りません。不測の事態に備えて、政府は、弾道ミサイルなど、あらゆる空からの脅威に対処できるように防空体制の強化を図っていくことにしています。

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同時に、関係国との連携が欠かせないのは言うまでもありません。今月下旬の国連総会などを通じて、日米韓の安全保障体制に揺るぎがないことを示し、国際社会が一致して毅然とした対応を取るように働きかける、政府にはそのための努力が求められます。

(権藤 敏範 解説委員)

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