来年の東京パラリンピック、チケットの抽せん販売の申し込みが22日に始まりました。小澤正修 解説委員です。
Q。
チケットは、どのあたりが人気になりそうですか?
A。
まずは、大会最初の日曜日、「ゴールデンサンデー」と位置づけられている8月30日です。去年世界選手権で日本が優勝した車いすラグビーなど、期間中で最多となる63種目で決勝が行われます。また、知名度の高いパラアスリート、国枝選手と上地選手の金メダルの期待がかかる車いすテニス男女の決勝が、9月4日と5日。開閉会式に加えて、このあたりも人気が高まると思います。
Q。
大勢の観客の存在が盛り上がりにつながりますからね。
A。
「すべての会場を満席にする」という目標を掲げる組織委員会は、チケットの申し込み状況に大きな関心を持っています。というのも、NHKの世論調査でも、パラスポーツ全体では、「すごい技がみられる」「純粋なスポーツとして扱うべき」という声が増えている一方、この2年間、東京パラリンピック自体に「関心がある」と答えた人は、およそ60%とほぼ横ばいで、大きく上昇していないのです。チケットは招致計画の段階でおよそ230万枚。これまでのパラリンピックでも開幕直前に、ぐっと売れ行きがあがったこともありますが、東京都の小池知事は「パラリンピックの成功なくして2020年の成功はない」と話しているだけに、開幕まであと1年、関心をどう高めて、会場にきてくれる人を増やせるかが、課題です。
Q。
直接見ることで、観客もより多くを感じることができる?
A。
そもそもリハビリのための大会として始まったパラリンピックですが、大会ごとに参加する国と地域の数、そして選手の数も増えて、今や200万人以上の観客が訪れる「世界最高峰の障害者スポーツの大会」となりました。組織委員会では、障害のある人などを含んだ場合に、ワンコインの500円で買えるグループ向けのチケットを用意したり、障害者スポーツを体験してもらうイベントを開催したりと、より関心を持ってもらえるような工夫をしています。大会を機に、パラスポーツを根付かせるためにも、ぜひ多くの人に直接会場に応援にきてもらい、一流のパラアスリートのすごさを知ってもらえたらと思います。
(小澤 正修 解説委員)
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