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「トランプ大統領の夏休みは?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカのトランプ大統領はどんな夏休みを過ごすのでしょうか?髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは、どうしてトランプ大統領がスーツ姿でゴルフバックを担いでいる?
A1)
大統領の休暇入りを、歌舞伎などの場面転換に使う“回り舞台”に喩えてみました。「大統領に休暇はない。居場所が変わるだけだ」そんな言葉もあるからです。今週末から首都ワシントンを離れ、東部ニュージャージー州ベッドミンスターに所有するゴルフリゾートに向かうトランプ大統領。ここで、おととしは17日間、去年は11日間、今回は10日間前後の夏休みになりそうです。ただ、ホワイトハウスはあくまでも“休暇”とは言いません。休暇中も働く“ワーキング・バケーション”だと言うのです。

Q2)
どうして、そんな回りくどい言い方をするのでしょうか?
A2)
3年前の大統領選挙で「自分が大統領になったら休まない」そんな大見得を切った手前、体裁を取り繕う面もあるのでしょう。でも大統領も人間ですから、ときにはリフレッシュが必要です。オバマ前大統領もゴルフに加え、普段は読めない大量の本を休暇先に持ち込みました。その前のブッシュ元大統領も、地元テキサスの牧場で専ら体力づくりに励みました。しかし、ブッシュ元大統領は、休み中のハリケーン襲来で対応が後手にまわったため、支持率が急落するきっかけになりました。オバマ前大統領も、最後の夏休みで洪水の被災地視察が遅れたとして、真っ先に批判したのは当時のトランプ候補その人でした。休み中も、自然災害や大きな事件が起きたら危機管理を問われるのは、大統領のいわば宿命です。ただ、トランプ大統領の場合は、もうひとつ休み中も注目すべきものがあるのです。

Q3)
何ですか?
A3)
大統領自身のツイッターです。中国との貿易摩擦から野党・民主党批判に至るまで、連日火を吹く“トランプ砲”は、この夏休み中も途絶えることは無さそうです。はたしてトランプ大統領は、今度はどんなツイートを書き込むか?大統領の舞台が回ると言うよりは、大統領に周囲が振り回されることになりそうです。

(髙橋 祐介 解説委員)

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