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「復興庁『存続』を提言」(ここに注目!)

松本 浩司  解説委員

イラスト解説「ここに注目」です。復興庁は設置から10年で廃止されることになっていますが、その先も存続するという方向性が見えてきました。松本解説委員に聞きます。

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Q)イラストは復興庁が10年を超えて進もうとしていますが、こうなりそうなのですか?

A)
そうです。復興庁が10年と決められたのは期限を切って復興を成し遂げるという国の決意を示す狙いがありました。地震・津波の被災地はインフラの復旧はほぼ完了しますが、心のケアなど今後も支援が必要です。福島の原発事故の被災地は帰還困難区域が広く残るなど復興にはまだ長い時間がかかります。このため自民党と公明党の復興加速化本部は、強い権限を持っている今の復興庁をそのまま存続し課題に対応していくよう政府に提言したのです。

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Q)復興庁の後継組織についてはいろいろな意見がありましたね。

A)
内閣府が復興庁の仕事を引き継ぐという案のほか、復興庁と内閣府の防災部門を統合して新しい組織を立ち上げるという案もありました。
東日本大震災の経験を南海トラフ巨大地震など次の災害対応に生かすために、防災から復興までを一貫して担当する「防災省」あるいは「復興・防災庁」の創設を求める声が全国知事会や専門家などからあがり、復興加速化本部で検討されました。
しかし政府内に慎重な意見もあったうえ、被災地から東日本大震災に特化した今の体制を維持してほしいという要望があがり、それに沿う提言になりました。

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Q)今後の課題は?

A)
与党の提言は復興庁存続とあわせて内閣官房や内閣府などに分散する防災に関する司令塔の機能を一元化し、強化すべきだとしています。
事前の防災から発生後の応急対策・その後の復興までを強いリーダーシップで一体的に推し進める体制整備は、次の大災害に向けた重要な検討課題です。そしてなにより福島などの復興を加速し、やり遂げる体制や財源を確保し、道筋を確かにすることが求められています。

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(松本 浩司 解説委員)

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