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「米民主党TV討論 誰が挑戦者に?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

来年のアメリカ大統領選挙で再選をめざすトランプ大統領に誰が挑むのでしょうか?野党・民主党は、30日から第2回のテレビ討論会を行います。髙橋解説委員です。
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Q1)
けさのイラストは、自動車レースですか?
A1)
民主党が討論会の舞台に選んだのは中西部ミシガン州“自動車産業の街”デトロイトです。トランプ大統領も、かねてからメンバーと交流があるロックバンド「キッス」の「デトロイト・ロックシティ」にちなんで、ちょっと過激な扮装でご登場頂きました。3年前トランプ大統領は、このミシガン州も含めて、かつて盛んだった製造業が衰退した、いわゆる“ラストベルト”を席捲したことが当選につながりました。このため、民主党が雪辱を果たすためには、こうした“ラストベルト”の奪還が欠かせないと言うのです。
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Q2)
民主党候補の中でいま誰が有力なのですか?
A2)
今回の出場者は、前回に続き、支持率や資金集めで一定の条件を満たした20人。近年稀に見る混戦です。▼トップを走るのは知名度や実績で勝るバイデン前副大統領。▼次いで、党内左派から支持を集めるサンダース上院議員とウォーレン上院議員が2位争いを演じ▼さらにその後を前回のテレビ討論会で健闘したハリス上院議員や最年少37歳のブティジェッジ・サウスベンド市長が追う展開です。その後続の候補者たちは、いわば団子状態です。ただ、こうした混戦は、今回の討論会を機に状況が一変するかも知れません。
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Q3)
どうしてですか?
A3)
民主党は次回9月にテキサスで開く討論会から、出場できる条件を大幅に引き上げるので、いわば険しい登り坂が待っているからです。今のところ次回も出場できるのは、上位10人程度か、あるいはそれ以下に絞られそうです。このため、いま下位に甘んじている候補者たちは、ここで何とか目立って支持を広げておかないと、注目も選挙資金も集まらず、このまま失速して撤退に追い込まれかねません。はたして誰が混戦を抜け出すか?民主党の大統領候補選びは第1コーナーに差し掛かり、早くも生き残りをかけた戦いになりそうです。

(髙橋 祐介 解説委員)


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