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「参院選公示、勝敗ラインは」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

参議院選挙は、4日公示される。

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Q)各党の党首が綱引きをしているが、この「53」「63」「86」という数字は何か。
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A)今回の選挙でポイントとなる議席数だ。
まず「53」だが、安倍総理大臣が掲げる与党の獲得議席目標、いわゆる勝敗ラインだ。
というのも、「政治の安定」には参議院全体の過半数の議席を獲得し、かつてのねじれ国会を避けることが欠かせないという考えからだ。
参議院全体の定数は、今度の選挙から3つ増えて245。このうち自民・公明の非改選議席は70あるので、過半数123に達するには、あと「53」必要となる。
ちなみに、与党は前回3年前に70、前々回には76を獲得している。

Q)それらに比べて、ずいぶん低い目標だが。
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A)選挙を戦う以上、もう少し上を目指すべきだという声は自民党内にもある。
そこで出てくるのが「63」。今回争われる改選議席124の過半数だ。
自民・公明にとっては、これを獲得すれば、有権者の信任を得たと言える一方で、野党側が阻止すれば、今後の共闘に自信を深めるだろう。
そしてもうひとつ、注目されている数字がある。

Q)それが「86」か。
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A)そうだ。というのも憲法改正に関わる数字だから。
現在、参議院で改正案を発議するために必要な3分の2の164議席は、自民・公明だけでは届かず、日本維新の会と憲法改正に前向きな一部無所属議員を加えて確保している。
これを選挙後も維持するには、非改選の78議席に加えて、今回自民・公明・維新の3党で、「86」が必要だというわけだ。
これに届けば、自民党は、憲法改正に向けさらに動きを強めるだろうし、立憲民主党などが阻止すれば、歯止めがかかるかもしれない。

Q)「53」「63」「86」に注目だ。
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A)いずれも今後の政治の行方を左右する数字だが、それを決めるのは我々有権者の一票一票であることは言うまでもない。今後、各党の主張に注目していきたい。

(曽我 英弘 解説委員)

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