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「党首討論、参院選に向けた攻防は」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

およそ1年ぶりとなる党首討論が19日開催される。「あの問題」も浮上して、参議院選挙もにらんだ最初のヤマ場を迎える。
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Q)国会に向かって、なにやら風が吹いているが。
A)当初は、国会に「解散風」が吹く中、安倍総理大臣の判断が党首討論の場で示されるかに関心が集まってきたが、風向きに変化が生じた感がある。そんな中、論戦のテーマに急浮上したのが「老後2千万円」問題というわけ。
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Q)この問題、与野党の対立が続いているが。
A)金融庁の審議会の報告書の狙いは、退職金を含めた長期の資産形成が必要という提言だったはずだ。
しかし、各家庭の生活水準や置かれている状況が違うにもかかわらず、平均値だけを示して2000万円が必要だとしたことで、数字がひとり歩きする状況を招いた。
さらには、所管する麻生副総理兼金融担当大臣が、報告書の「全体を読んでいるわけではない」と発言し、その後受け取りを拒否したことで、野党側は反発を強めている。
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Q)19日の討論、どのような展開が予想されるのか。
A)立憲民主党の枝野代表などは、「100年安心」と自公政権が銘打ってきた公的年金の信頼性に批判の矛先を向けることで、ちょうど12年前の第1次安倍政権で発覚し、参院選に旧民主党が圧勝するきっかけともなった年金記録のずさんな管理、「消えた年金」問題の再現を狙いたいところだろう。
これに対し、安倍総理大臣は、報告書は「不正確で誤解を与えた」と釈明しつつも、公的年金の信頼性は変わらないと強調するものと見られる。
また議論の展開次第ではあるが、年金制度の抜本改革を掲げた旧民主党が、政権時に改革が手付かずに終わったことも念頭に反論に出てくることも十分考えられる。
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Q)少子高齢化が進む中で、大事な年金の議論、しっかりやってもらいたいが。
A)去年の党首討論で、安倍総理と枝野代表は、言いたいことだけを言う形になり、その後「党首討論の歴史的使命は終えた」と非難しあった。
全体で45分という限られた時間ではあるが、かみ合ったやりとりで、議論を深めてもらいたい。
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(曽我 英弘 解説委員)

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