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「G20 核のごみ国際会議設置へ」(ここに注目!)

水野 倫之  解説委員

今週末軽井沢で開かれるG20エネルギー環境閣僚会合で日本は、原発の核のゴミの処分に向けて、各国が知見を共有するための国際会議の設置を提案する。水野倫之解説委員の解説。
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イラストでは各国とも核のゴミを背負って困り顔だが、G20のうち15か国が原子力を利用してきたが、ほとんどが核のごみ処分に道筋をつけられていないから。
核のごみは原発の使用済み燃料やそれを処理した廃棄物で放射能が極めて強く、その処分の実現は原発をもつすべての国共通の課題で、各国は地下深くに埋めようと。
しかし安全性への不安が根強く、処分場を決められたのはG20ではないフィンランドとスウェーデンだけ。
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そこで今回、それぞれの国で処分に道筋がつけられるよう、各国の取り組みの成功例や失敗例など知見が共有できる国際会議の設置を日本が提案するもので、フィンランド・スウェーデンにも参加してもらう方針。
日本がリーダーシップを取ろうとしているようにも見えるが、実は日本も行き詰まっていて何とかしたいという事情があるから。
政府はおととし、活断層などがなく地下処分できる可能性がある地域を地図で示して関心を高めようとしたが、国の説明会で現金で学生を動員していたことが発覚。信頼は失墜し、説明会は中断を余儀なくされた。
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その後、運営方法を一新して説明会再開してるが、参加者は激減しわずか5人しかいないという会もあって、国民からそっぽをむかれてる。
政府や事業者がまずやるべきは信頼回復で、不都合な情報もきちんと出していかねば。その点、フィンランド・スウェーデンでは、事業者が研究成果をもとにリスクも明らかにして対策とともにひざ詰めで住民に説明し、信頼関係が築けたことが決め手になった。
日本も国際会議で、信頼回復に何が必要なのかを身につけていかねば。
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(水野 倫之 解説委員)

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