イラスト解説、ここに注目です。去年の西日本豪雨を教訓に、大雨の防災情報を5段階のレベルに分ける運用があすから始まります。
Q)この絵は大雨でたくさんの防災情報が出ているという様子ですね。住民は戸惑っていますね?
A)
大雨の時に出される防災情報が多すぎてわかりにくいという声が以前からありましたが、
去年の西日本豪雨でも情報の重みが住民に伝わらずに避難に結びつかなかったと指摘されました。そこで国はそれらの情報を5段階に整理し、警戒レベルをつけて発表することにしました。
警戒レベル1から5まで数字が大きくなるほど切迫度が高くなります。
▼大雨・洪水警報はレベル3、▼土砂災害警戒情報や氾濫危険情報はレベル4、
▼特別警報はレベル5というように、位置づけます。
そしてレベルごとに住民がとるべき行動がはっきりわかるようにして、色もできるだけ統一します。
Q)数字と色でどう対応したらよいか、わかるようにしようということですね。
A)
そうです。「レベル3」、赤の情報が出たら高齢者などは避難を始めます。
重要なのが「レベル4」の「紫色」の情報で、この情報が出たら全員が避難をする必要があります。具体的には、川の「氾濫危険情報」が出るときには、あわせてこれはレベル4だということが示され、避難が必要な情報だということを伝えます。レベル4、紫色が全員避難のタイミングと覚えておくことがとても大切です。
さらに上のレベル5は既に災害が発生したり、発生している可能性が極めて高い状況で、こうした状況に追い込まれる前に避難を完了している必要があります。
Q)レベル化でさらに情報の数が増えることにはなりませんか?
A)
数は増えませんが、レベルが加わるので情報量は少し増えます。しかし情報の種類や名はいろいろあって意味を覚え切れなくても「レベル4で全員避難」と覚えておけば、いざというときに迷うことはなくなります。大雨の時期に向けて警戒レベルを知って防災行動に生かしてもらう取組みを急ぐ必要があります。
(松本 浩司 解説委員)
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