いま来日中のトランプ大統領が再選をめざす来年のアメリカ大統領選挙について、髙橋解説委員です。
Q1)
けさのイラストは桟橋に佇むトランプ大統領?
A1)
わが国が国賓として迎えたお客様の年齢を云々するご無礼はご容赦頂きたいのですが、トランプ大統領は72歳。来月14日の誕生日で73歳になりますから、時には打ち寄せる波を見つめ、来し方行く末に思いをめぐらすことが、ひょっとしたらあるかも知れません。
でも、かつてロナルド・レーガンは、再選後2度目の来日の時は75歳3か月でしたから、タフなトランプ大統領は、まだまだ若い!そんな見方が出来るかも知れませんね。
Q2)
きのうもゴルフに相撲観戦とフル回転でしたからね。では、なぜ大統領の年齢に注目する?
A2)
来年の選挙に向けた野党・民主党の大統領候補選びに“世代交代”の波が起きるかどうか?
その行方が大統領の再選戦略にも影響を与えかねないからです。
▽今のところ支持率でトップを走るバイデン前副大統領は76歳、▽2番手で追うサンダース上院議員が77歳。この2人は大統領より年上ですから、彼らが相手なら大統領の年齢がハンディになることはないはずです。
しかし、候補者の中には▽大統領と同じ、これまでアメリカ社会を引っ張ってきた「ベビーブーム世代」、▽さらにその次の世代、▽さらにそのまた次の「ミレニアル世代」も頭角を現しつつあるのです。
Q3)
「ミレニアル世代」ってどのぐらい若い?
A3)
大体21世紀に入って成人した世代をアメリカではそう呼んでいます。
▽その「ミレニアル世代」からの支持で急浮上しているのが、最年少の37歳、中西部インディアナ州サウスベンドのブティジェッジ市長です。同性愛を公表し、ハーバードやイギリス・オックスフォードで学び、7ヶ国語を操り、アフガニスタンで従軍経験もある際立って異色の候補です。無論アメリカの有権者は年齢や若さだけで大統領候補を選ぶわけではありません。きっと浮き沈みはあるでしょう。しかし、今度の選挙は「ミレニアル世代」以下の若い有権者が4割近くを占めますから、その動向は無視できないのです。はたしてトランプ大統領は“寄る年波”に勝てるのか?民主党の“世代交代”の行方に注目です。
(髙橋 祐介 解説委員)
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