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「米中『大阪合意』は可能か?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカのトランプ大統領は、来月大阪市で開かれるG20サミットにあわせて、中国との貿易摩擦をめぐり、習近平国家主席と米中首脳会談を行う意欲を示しています。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは将棋の対局?
A1)
将棋が盛んな大阪・通天閣のお膝もと「新世界」に敬意を表して、こんな絵をご用意しました。いまトランプ大統領は、このまま中国との交渉妥結がなければ“第4弾”の制裁措置として、残りの輸入品ほぼすべてに追加関税を課すと警告しています。いつ発動するかは明言せず、来月のG20サミットに間に合わせるかのように、通常より準備の手続きも早めています。このため、来週末から国賓として来日するトランプ大統領が、来月再び日本に来る際は、中国に対する追加関税という“切り札”を手に、大阪に乗り込んでくることになりそうです。

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Q2)
首脳会談が成功するなら追加関税は発動されない?
A2)
無論理屈はそうですが簡単ではないでしょう。この勝負が難しいのは、両首脳とも合意を望んでいながら、どちらも自分の国内から譲歩したとは見られたくないからです。
そんな現状を切り抜けるための要諦を中国にはこんな言い方があるそうです。「談談打打 打打談談」。淡々と交渉しながら戦い、淡々と戦いながら交渉する。一種の言葉遊びですが、交渉は戦いを勝ち抜くため、戦うのは交渉を有利に運ぶためというニュアンスです。
これに倣ってトランプ大統領の戦略を勝手に喩えれば「打打打打 打打打打」。打って打って打ちまくる!貿易でも、米中の覇権争いでも、再選をかけた大統領選挙でも、“攻めの一手”で勝ち抜きたいところでしょう。現に、大統領はツイッターをそれこそダダダダダっと連打して、「アメリカは中国よりはるかに優位にある」と強気の棋風を変えません。

Q3)
このまま対立がエスカレートしたら経済への影響が心配ですね?
A3)
仮に首脳同会談も不調に終われば、米中経済そして日本も含めた世界経済が“だんだん”どころか“だだだだだ”っと悪化する恐れも否定できません。はたして米中首脳会談は実現し、双方にひとまず受け入れ可能な落としどころが見つかるか?しっかり交渉を重ねて、大阪G20サミットは是非とも“大団円”を期待したいですね。

(髙橋 祐介 解説委員)

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