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「どうなる?!平成最後の政党合流」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

新しい元号「令和」の時代がまもなく幕を開けようとしているが、政界では、今月(4月)中、つまり「平成」のうちに、ある2つの政党が合流を模索している。

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Q)2台の馬車が、同じ場所で立ち止まっている。何をしているのか。

A)2台の馬車、それが国会議員58人の国民民主党と6人の自由党。規模には差があるが、ともに党勢は低迷している。
そこで、安倍政権を倒すため、野党が大同団結するきっかけになればと、1月下旬には、玉木代表と小沢代表は、まずは両党が同じ馬車に乗る、つまり合流を目指すことで内々には一致していた。
しかし遅々として進まず、小沢氏は「今月(4月)中に結論が出ないなら、この話は、なしだ」と迫っている。

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Q)国民民主党にはどういう事情があるのか。

A)両党は元を辿れば、今から7年前、平成24年に分裂した民主党だ。
合流を容認する声もあるが、党内不和が収まらなかった当時の記憶は今もなお強烈に残っているのだろう。

Q)民主党分裂から7年か。その後も数々の政党が登場したが。

A)平成の時代には、非自民勢力を中心に、50を超える新党ができては消えた。
小沢氏も自民党離党後、7つの党を率いるなど、数々の離合集散を繰り返してきた。
現職で最多の当選17回を誇るそのキャリアは、当選4回の玉木氏と比べるまでもなく圧倒的で、国民民主党内にはいずれ飲み込まれるのではという警戒感も根強い。

Q)合流はどうなりそうか。

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A)玉木氏は、きょう(24日)党内の意見を改めて聞くことにしているが、ここまできたら、話がまとまるにせよ、破談に終わるにせよ、反発や不満が出るのは必至。あとは腹を決めるかどうかといっていい。
両党がまずは合流することで、野党全体が新しい時代に攻勢に転じることができるかどうか。その行方に注目したい。

(曽我 英弘 解説委員)


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