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「学力テスト初の英語は」(ここに注目!)

西川 龍一  解説委員

小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力テストが、18日行われます。西川解説委員です。

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Q1.イラストを見ると、学校ではあまり見慣れないテスト風景のようですね?

A1.そこが注目点です。今年の学力テストでは、中学3年生に初めて英語が加わります。英語は3年に一度行われることになっていて、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語の4技能を測ります。このうち「話す」テストは、このようにパソコンを使います。

Q2.話すテストだけ特殊なのですか?

A2.「読む」「聞く」「書く」のテストは、自分のクラスの教室で同じ時間に一斉に受けることが可能です。しかし、「話す」テストはこのイラストのように学校の中のパソコンルームなどで受けることになります。整備状況は学校によって異なるため、すべての生徒が同じ時間に受けることが出来ず、中には4時間目から6時間目まで3つの時限にわけて順番にテストを受けるという学校もあります。ほかにも学校には大きな負担があります。

Q3.どんなことですか?

A3.準備が大変なんです。テストに使うパソコンには調査プログラムをダウンロードして、事前の動作確認を行う必要があります。これを行うのは先生たちです。ヘッドセットも録音ができるかどうか確かめなければなりません。事前検証を含め、学校がこうした準備を始めたのは今年1月からのことです。それでも一部のパソコンでプログラムを開いた際に正常に動作しない可能性あることが今月に入ってから明らかになり、文部科学省が急きょ教育委員会を通じて全国の中学校に知らせる事態となりました。

Q4.準備不足のような印象ですね?

A4.こうした課題は、去年、文部科学省が一部の中学校の協力で行った予備調査で指摘されていましたが、解決のめどが立たない中でも「英語の学力テストは今年から」との方針は変わりませんでした。テストそのものも肥大化する学力テストのあり方を引き続き検証する必要があります。

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(西川 龍一 解説委員)


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