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「統一地方選前半戦 今後の影響は」(ここに注目!)

権藤 敏範  解説委員

イラスト解説・ここに注目です。夏の参議院選挙の前哨戦となる平成最後の統一地方選挙は、きのう(7日)、前半戦となる11の道府県知事選挙などで投票が行われました。権藤解説委員です。
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Q)どの選挙に注目しましたか?
A)唯一の与野党対決となった北海道知事選挙です。
結果は、自民・公明などが推薦した鈴木さんが勝ちました。
北海道は、3年前の参議院選挙で、当時の民主党が3議席のうち2議席を獲得したように、もともと非自民が強い地域だけに、与党側は、夏の参議院選挙への弾みになると安堵しています。
一方、野党側は、候補者を一本化して臨んだものの敗れたことで、参議院選挙に向けて、候補者の選び方や選挙協力のあり方など、体制の立て直しが急務となります。
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Q)与党側は北海道では勝ちましたが、全国的には保守分裂の選挙も目立ちましたね?
A)そうですね。福岡や島根など4つの知事選挙で、保守勢力が分裂して争いました。
このうち、福岡では、現職の小川さんが、自民党推薦の新人を破って3選を果たしました。
きのうの出口調査を見てみますと、有権者の90%近くが小川さんの県政運営を評価し、その多くが小川さんに投票した事が分かります。
自民党は、過去2回の選挙で、小川さんを支援しましたが、関係が悪化したため、今回は、麻生副総理らが擁立した新人候補を推薦して敗れました。
こうした県民の声を、きちんと吸い上げる事が出来ていたのか、党本部の判断に厳しい声も聞かれます。
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Q)自民党としては、大阪のダブル選挙も厳しい結果になりましたね?
A)出口調査を見ますと、大阪市長選挙では自民党支持層の3分の1が、大阪府知事選挙では半数以上が、維新の候補を支持しました。
今回は、地方選挙、そして大阪都構想の是非が争点であったにせよ、組織を十分に固める事ができなかったのは、各地で分裂選挙になった事とあわせて、党の結束に課題を残しました。
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Q)統一地方選挙の後半戦は、今月21日に投票が行われますね?
A)全国で、900余りの市区町村長や議員の選挙が行われるほか、衆議院の大阪12区と沖縄3区の補欠選挙も行われます。
与野党ともに、2つの補欠選挙で勝利して参議院選挙につなげようと総力戦で臨むでしょうから、その結果にも注目したいと思います。
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(権藤 敏範 解説委員)


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