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「外国人就労 拡大 ~来週から新制度」(ここに注目!)

竹田 忠  解説委員

日本で働く外国人労働者の受け入れを拡大する新制度のスタートが、
来週、4月1日に迫りました。竹田 忠 解説委員です。

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〔 イラストでは、真ん中にいる外国人労働者が、中に入ろうとしても、
  門が閉まっているようだが? 〕

そうなんです。日本はこれまで、建設、農業、サービス業など、
いわゆる単純労働と言われている分野では、外国人労働者が働くのを
認めてこなかった。なので、こうした分野の仕事は、技能実習生とか、
外国人留学生という、労働者とは違う資格で入っている人たちが担っている。
しかし来週からは、特定技能という新たな労働者の資格を作って
外国人労働者に正面から入ってもらうことになる。

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〔 来週から、すぐに大勢の人が入ってくるのか?  〕

それはないと思います。特定技能の資格を得るためには、
これから現地や日本で実施される、日本語と技能、
両方の試験に受からないといけない。
そうした手続きを経て、資格を得るには、数ヶ月かかります。

その一方、技能実習で3年以上たっている人は、
無試験で、特定技能に移ることができますので、
当面は、技能実習から毎月、徐々に移ってくる人が
新制度の中心になると思います。

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〔 技能実習を巡っては、低賃金や、長時間労働など、
  深刻な実態が一部で問題になったが? 〕

だからこそ、同じことが起きないように
新制度では、企業に、様々なことを義務づけています。
賃金は、日本人と同等以上を払う。
支払い状況を、3ヶ月ごとに国に報告する、
ということまで、求めている。

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さらに、もう一つ。
政府が大きな柱として打ち出していたのが、
医療や教育など、外国人労働者の様々な相談を
ワンストップで受け付ける相談窓口を全国に100箇所作るという計画。
結局、自治体から設置の申請があったのは、37にとどまった。
これは、やはり、4月からのスタートありきで
急ピッチで制度を作ってきたため、
自治体との調整が間に合わなかったものとみられています。

外国人労働者とどうやって共生し、支えていくのか?
日本の将来を左右する大きな話しですので、
丁寧に準備を進めてほしいと思います。

(竹田 忠 解説委員)


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