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「NHK世論調査 与野党攻防は...」(ここに注目!)

太田 真嗣  解説委員

3月のNHKの世論調査で、安倍内閣の支持率は、「支持する」が42%と、大きな変化は見られませんでした。そうした中、夏の参議院選挙などを視野に入れた、国会での与野党の攻防はどうなっていくのかを考えます。

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Q、国会では、いま、参議院予算委員会を舞台に、来月に迫った統一地方選挙、そして、夏の参議院選挙を睨んだ与野党の攻防が、日々、激しさを増しています。それにしても、このイラストでは、力士の体格に、だいぶ差がありますね?

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A、きのう(11日)まとまった3月のNHKの世論調査で、安倍内閣の支持率は、「支持する」が、先月より2ポイント下がったものの42%、自民党の支持率も、36.7%と安定しています。
これに対し、他の党は、最も高い野党第1党の立憲民主党でも、5.5%と伸び悩み、依然、いわゆる“1強多弱”の政治状況が続いています。

Q、そうした中、次の選挙を睨んだ与野党の攻防、どうなりそうですか?

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A、自力に勝る与党側とすれば、がっしりマワシを掴み、『横綱相撲』といきたいところです。
売りは、やはり、『経済』。先行きへの不安の声を払拭するため、アベノミクス推進に向けて、新年度予算案、そして関連法案を早期に成立させる方針です。
対する野党側は、『統計不正問題』などで追及し、政府・与党の足元を揺るがしたいところです。
今回の調査で、これまでの厚生労働省の再検証によって問題の真相が解明されたかどうかを聞いたところ、▽「解明された」は、わずか12%。▽「解明されていない」は76%に上っています。

Q、政府にとっては厳しい結果で、今後も激しい論戦が続きそうですね。

A、そうですね。ただ、忘れてならないのは、選挙は、いま土俵にいる、このメンバーだけでは勝負がつかないということです。

Q、どういうことですか?

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A、実は、最も大きいのは、いわゆる無党派層で、回答者全体の40.6%を占めています。
ですから、大事なのは、単に国会での勝ち負けではなく、今後の論戦を通じ、与野党、どちらが説得力のある主張を行い、幅広い世論の共感を得られるか。それが、選挙の行方も含め、その後の明暗を大きく分けることになりそうです。  

(太田 真嗣 解説委員)


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