きょうから始まるはやぶさ2の着陸運用について水野倫之解説委員の解説。
はやぶさ2はリュウグウの直径6mとかなり狭い目標地点に着陸することになる。
イメージとしてはNHKのニューススタジオの大型モニター(幅6m)のどこかに降りる感じ。
ただ円内の真ん中を狙っていっても半径分の3mの誤差しか許されない、難しい挑戦。
どうしてこんなに狭いところへの着陸となったのかというと、はやぶさ2は60㎝以上の岩があると機体が損傷する恐れがあるため着陸できないが、リュウグウはどこも数mの岩だらけだったから。
チームは着陸を一旦延期し、観測データをもとに岩の一つ一つの高さの見直しを行い、検討してきた。
この間、チームのプロジェクトマネージャーは、「自分が舞い降りて岩を動かそうとする夢をよく見た」ということだが、ようやく平坦でリュウグウの玉手箱を持ってこられそうな場所を見つけたが、そこは幅が6mしかなかったというわけ。
そこでまずは目印を頼りにする。
すでにリハーサルで、円の外側に目印が投下してあり、はやぶさ2はこれを視野にとらえながら降りていくが、そのままでは円の外に降りて危険なので、最終アプローチでエンジンを噴いて斜めに降下、円の中心を目指す戦術。
ただ地球とリュウグウの間は電波で往復40分かかり、地上からの指令は間に合わないので、最後はあらかじめインプットしたプログラムに従ってはやぶさ2が自ら判断して降りる。
チームははやぶさの飛行精度も向上させた。
12個ある姿勢制御エンジンすべての噴き方の個性を分析し、いつどこでどれだけ噴射するのかを細かく決めたプログラムを作り、飛行精度を2.7mまで高めることができたと説明。
ただ1号機はこの着陸がうまくいかず満身創痍となったので予定外のことがあれば一旦立ち止まる慎重さも必要。
リュウグウから玉手箱をとってくることができるのか、まもなく午前8時からの降下開始に注目。
(水野 倫之 解説委員)
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