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「間に合う?外国人相談窓口」(ここに注目!)

清永 聡  解説委員

4月からの「外国人材の受け入れ拡大」に合わせて、全国に外国人労働者のための相談窓口が作られます。法務省はこのほど自治体への財政支援を行う条件を公表しましたが、どんな相談窓口になるのでしょう。

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Q:あと1か月半ですから、相談窓口の整備も急ぐ必要がありますね。
A:政府は去年の年末に、「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」をまとめました。その柱の1つとして、この相談窓口が掲げられていました。
対象となるのは、全国の都道府県と政令指定都市、そして外国人が多く生活している市など、合わせて111の自治体です。以前から自治体が独自に外国人向けの生活相談窓口を作っていたところも多いので、その場合、今の施設を拡充することになります。ただ、法務省が示した条件は、なかなか厳しいんです。

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これまで1か所で対応できる「ワンストップセンター」と呼ばれていたように、生活相談だけではなく、今後は在留手続、雇用、医療、福祉、子育てなど幅広い問い合わせに応じないといけません。しかも、以前は予約があったときだけ窓口を開くというところもあったようですが、今後は通年で相談に応じることが必要です。

Q:そうすると忙しくなりますね。人が増えてきました。
A:ところが、条件はまだあります。原則として11の言語に対応することとされているんです。ネパール語、インドネシア語、ポルトガル語、スペイン語などで、特に地方の自治体では、通訳を探すのが難しい言語もあるでしょう。

Q:そんなにたくさんの通訳を確保するのは大変です。
A:私も今の条件は、自治体の負担が非常に重いと感じます。外国人労働者の受け入れ拡大に伴う取り組みは、方針を掲げるのが政府であったとしても、実際には自治体にゆだねているものが少なくありません。
相談窓口については法務省も配慮していて、一部の言語は翻訳アプリなどを活用しても良いとしているほか、要望があれば入国管理局の職員も派遣するとしています。

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Q:でも、間に合うんですか?
A:4月1日のオープンですが、自治体によっては難しいところもあるかもしれません。制度開始まであと1か月半。技能実習から移ってくる人、それから、新たに来日して、まずこの相談窓口を訪れる人も増えるでしょう。政府は自治体への支援を急いでもらいたいですし、現場の負担を少しでも減らせるよう、継続的な取り組みを求めたいと思います。

(清永 聡 解説委員)

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