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「ふるさと納税 100億円還元の波紋」(ここに注目!)

竹田 忠  解説委員

ここに注目です。利用者が増え続けている、ふるさと納税。
政府は、自治体が提供する返礼品を、法律で規制する改正案を決定しました。  
竹田 忠 (たけだ・ただし)解説委員です。
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《 なぜ、法律で規制するのか? 》

その大きな理由の一つが、これ。
大阪府の泉佐野市が今月から始めた、ふるさと納税の新たなキャンペーン。
「なくなり次第終了、100億円還元」という宣伝文句。
どこかで聞いたようなセリフですが、
ふるさと納税をした人に対して通常の返礼品に加えて
アマゾンのギフト券をプレゼントする、というもの。
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《 これは、どこが問題なのか? 》

プレゼントされるギブト券は、
ふるさと納税した額の最大2割、とされていますので、
通常の返礼品が同じく3割とすると、合計で5割になります。
これは総務省が要請している、返礼品は、3割までの地場産品、
そして、ギフト券などの金券もダメ、という内容にどちらも違反しています。

このため石田総務大臣は、これは身勝手だ、と強く批判しているんですが、
一方、泉佐野市は以前から、
国が一方的に規制するのはおかしい、と反論して対立しているんです。
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《 では、どうすればいいのか? 》

この返礼品についての要請は、
実は、あくまでお願いであって、強制力はない。
そこで、政府としては、正式に法律で規制しよう、ということになって
すでに改正法案を国会に提出しました。
法案が今国会で通れば、今年6月以降は、
ルールに従わない自治体は、ふるさと納税制度の対象から
外されることになります。
そうすると、その自治体への寄付は、激減することは必至です。
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《 そもそも、なぜ、そうまでして返礼品を規制するのか? 》

まさに、そこが論点なんです。
ふるさと納税をする側からすると、
返礼品は、たくさんもらえた方がうれしい。

しかし、その返礼品にかかるお金は、もとは税金なんです。
しかも、お金もちほど、税金が、返礼品としてたくさん戻される仕組み。
いわば、“金持ち優遇税制” と言ってもいい状況になっている。

もともと、ふるさと納税というのは、
ふるさとや、災害で困っている自治体を
自分の税金の一部を使って応援しようという制度。

この大事な制度を、どう守っていくか、
今後も議論が必要だと思います。
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(竹田 忠 解説委員)

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