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「新年度予算案審議へ どうなる統計不正問題」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

国会は、8日から衆議院予算委員会で、新年度予算案の審議が始まる。

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Q)楕円球ということは、ラグビーですね。

A)国会は、統計不正問題一色の様相で、ラグビーボール同様、論戦のバウンドは予測がつかなくなってきた。
政府与党からすれば、旧民主党政権時代も続いていた問題なだけに、「お互い様ではないか」といった意識があったかもしれない。
ただ、幕引きを急ぐ余り、厚生労働省が「第三者」による調査を強調しながら、身内が関与し再調査に追い込まれるなど失態が続いたこともあって、完全に当てが外れた形だ。

Q)論戦の焦点は。

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A)最大のポイントは、雇用の改善と並んで、アベノミクスの成果と誇ってきた賃金上昇をめぐって、見方が真っ二つに分かれている点。
物価変動の影響を除いた「実質賃金」の上昇率について、野党側は、去年の大半でマイナスになると試算していて、不正の背景には、成果を偽装する意図があったのではないかと主張している。
これに対し、政府側は、こうした試算は否定しないものの、1人当たりの賃金に雇用者数を掛けた所得の合計「総雇用者所得」はプラスであり、賃金は増加傾向にあるという判断に変わりはないとしている。
それぞれが、違う尺度で主張を展開し、かみ合わないままだ。

Q)ただ野党は納得していない。どう展開するか。

A)野党各党が、スクラムをしっかり組み続けることができるかどうか、それ次第だろう。
ここ最近、国会スタート時は、共闘の必要性を口にしながら、終盤の肝心なときになると足並みが乱れるケースが続いた。

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今のところ、不正の一連の経緯を知る立場にいた厚生労働省幹部らの国会招致を実現させるなど、各党が息を合わせて押してはきたが、ことしは4月に統一地方選、7月に参院選が続く。
それだけに、日程が近づくにつれ、野党共闘の本気度が試されそうだ。

( 曽我 英弘 解説委員)

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