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「どうなる 2回目の米朝首脳会談」(ここに注目!)

塚本 壮一  解説委員

注目されていた2回目の米朝首脳会談について、アメリカのトランプ大統領は、今月27日と28日にベトナムで開くことを、5日夜、アメリカ議会で行った今後1年の施政方針を示す一般教書演説で明らかにしました。

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(Q)トランプ大統領の発言、どんな点が注目されますか?
(A)
北朝鮮との関係の進展ぶりを強調していたことです。「自分が大統領に選ばれていなかったら北朝鮮と戦争になっていただろう」、「キム・ジョンウン委員長との関係は良好だ」と述べていました。トランプ大統領は内政面で厳しい状況にありますから、外交はうまくいっているとアピールする狙いがあったのだろうと思います。

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(Q)首脳会談をベトナムで行うのはなぜなのでしょう。
(A)
北朝鮮としては、経済成長を続けるベトナムを首脳会談の舞台とすることで、経済を重視する姿勢をトランプ大統領に印象づけて、制裁の解除につなげたいという思惑もあっただろうと思います。

(Q)会談で北朝鮮の非核化は進むのでしょうか?
(A)
アメリカ政府内でも悲観的な見方が出ているのが実情です。情報機関を統括するコーツ国家情報長官は、先週、「北朝鮮が核を完全に放棄する可能性は低い」と言明しました。一方、北朝鮮との交渉にあたっているビーガン特別代表は、北朝鮮がこれまでに、ニョンビョン(寧辺)の核施設だけでなく、すべてのウラン濃縮とプルトニウム再処理施設を廃棄すると約束するとともに、アメリカに相応の措置を求めていることを明らかにしています。

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(Q)会談の先行きは読みにくいですね。
(A)
そうなんです。北朝鮮が非核化に向けた措置にどれほど踏み込むのかポイントですが、それとともに、アメリカが「相応の措置」にどの程度応じるのかも重要です。「相応の措置」には、朝鮮戦争の終戦宣言や南北の経済協力事業の再開を認めることなどが取りざたされています。経済制裁の解除についても、アメリカは非核化が終わるまで応じられないとしているものの、何らかの譲歩をするのではないかという見方も根強くあります。ビーガン特別代表は6日、北朝鮮側と事前協議を行ったはずですが、その内容は明らかにされていません。会談の行方は楽観を許さない状況です。

(塚本 壮一 解説委員)

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