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「復活なるか、土俵際の稀勢の里」(ここに注目!)

刈屋 富士雄  解説委員

あさって初日を迎える大相撲の初場所、横綱・稀勢の里が、復活をかけて臨みます。刈屋解説委員です。

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Q 復活を期待する声は大きいですね?

そうですね、でもこのイラストの様に土俵際に追い込まれています。
8場所連続休場の後、去年の9月の秋場所で二桁勝って、復帰の橋を渡って土俵に戻りましたが、九州場所で初日から4連敗し途中休場しました。
横綱審議委員会も異例の「激励」の決議をしました。横審が成績不振を理由に決議をしたのは初めてのことで、励ましの言葉とは裏腹に事実上退路が断たれたことを意味します。

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Q 場所前の様子はどうですか?

追い詰められた悲壮感はなく、覚悟を決めた様な迷いのない表情で、必死さが伝わってくる稽古です。
その初場所の土俵で復活の為に本人が立ち向かわなければならないポイントが3つあると思います。
一つ目は体調です。
九州場所で痛めた膝や以前痛めた左胸や左腕、場所前の稽古を見る限りでは力が入る状態だと思いますし、本人も手応えを感じている様子です。後はケガや病気をせず乗り切れるかどうかです。

Q 二つ目は?

攻めの相撲を取り切れるかです。九州場所は勝ちたいという気持ちが強すぎたせいか、攻めが偏りすぎて迫力に欠けました。本来は、がむしゃらな攻めの相撲が持ち味です。とにかく出だし、初日からの3日間攻め切る相撲が取れるかどうかです。

Q 最後の一つは何ですか?

綱の重さです。進退が問われる場所はこの綱の重さ、横綱の責任が重くのしかかってくると聞きます。その精神的な重圧を力に変える事が出来るかどうかです。

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Q どれくらいの成績が必要ですか?

横綱ですから、本人が決めることです。優勝争いが必要と言う声もありますが、「横綱の責任」の考え方も、どれくらいの成績が必要かも含めて、平成の30年間で大きく様変わりしてきました。今、稀勢の里が「横綱の責任」をどう捉えているのか、それを初場所でどう見せてくれるのか注目です。

(刈屋 富士雄 解説委員)

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