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「2019年 日本外交始動も...」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

2019年、今年の日本外交について、増田解説委員です。

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Q1)
増田さん、ずばり、今年はどんな年になるでしょう。
A1)
はい。今年は、日本外交にとって特筆すべき年になると思います。
2019年は、日本を舞台に外交が動く年だからです。
5月には、新天皇が即位し、10月には、各国の元首・王族を招いて「即位の礼」が行われます。6月には、G20大阪サミットが開かれ、アメリカのトランプ大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領といった世界の指導者たちが勢ぞろいします。8月には、TICAD・アフリカ開発会議が横浜で開かれます。日本外交史上、前例のない年。この機会を利用して、国際的に日本の評価を高めるための戦略を構築するには、どうすればいいのか。日本外交の構想力が問われるところですね。

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Q2)
こうした中、安倍総理は、あすから、イギリス、オランダを訪問しますね。
A2)
そうです。今年最初の外国訪問。安倍総理としては、華々しく首脳外交を始動させたいところですが、年明け早々、難題が持ち上がっています。日韓関係です。自衛隊の哨戒機が、韓国軍の艦艇から射撃管制用レーダーを照射された問題をめぐり、日韓の応酬が激しくなっています。
日本政府が「極めて危険な行為だ」と抗議したのに対し、韓国政府はレーダー照射を否定した上で、「自衛隊機が威嚇的な低空飛行をした」と、逆に日本に謝罪を要求しました。
また、日本が、哨戒機から撮影した映像の公開に踏み切ったのに対し、韓国も、先週、自らの主張をまとめた映像を公開して反論。昨夜までに、この映像を8つの言語で公開しました。
韓国メディアは「国際世論戦の様相だ」と伝えています。

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Q3)
なんだか、いやなムードですね。
A3)
はい。双方の主張は平行線。落とし所は見えません。韓国では、3月1日に、日本統治下の独立運動である「3・1運動100年」の節目を迎えますので、反日ムードが高まる中、当面、自らの非を認めることはないという見方もあります。
戦後外交の総決算を掲げる安倍総理の前には、領土交渉が山場を迎える日ロ、拉致問題を抱える日朝と、課題が山積しています。こうしたより重要な課題に全力を注ぐためにも、日韓のこれ以上の関係悪化を避け、問題の収拾を図るための外交的な努力が、今、求められています。

(増田 剛 解説委員)

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