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「ポスト・メルケルは?」(ここに注目!)

二村 伸  解説委員

ドイツのメルケル首相率いる与党・キリスト教民主同盟の新しい党首を選ぶ党大会が、7日開かれます。党の幹事長と元議員の2人による接戦が予想されます。

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Q.接戦なのですね。

メルケル首相の中道路線を引き継ぐ女性幹事長と、政界復帰をめざす保守派のベテランの争いです。アンネグレート・クランプカレンバウアー幹事長は、長いので頭文字をとってAKKと呼ばれています。連邦議員ではなく西部ザールラント州の首相を7年務めていましたが、ことし2月メルケル首相が幹事長に抜擢し、後継者として一躍脚光を浴びました。対するフリードリヒ・メルツ氏は、かつて党の院内総務、議員団長をつとめましたが、ライバルのメルケル首相との権力争いに敗れて政界を退き実業家に転じた人物で、大幅な改革を訴えています。もう1人、保守派で首相の難民政策にj批判的な39歳の若手、イェンス・シュパーン保健相は2人に離されていますが、上位二人による決選投票となった場合、シュパーン氏が得た票の行方が鍵を握ります。
新しい党首は、各州の代表1001人による投票で決まりますが、党員や支持者を対象にした調査では、クランプカレンバウアー氏が一歩リードしているものの、投票する代表の数は、メルツ氏の地元の州が多く、予断を許しません。ミニ・メルケルとも呼ばれる首相の腹心か、メルケル氏の長年の宿敵か、熱い戦いとなっています。

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Q.新しい党首が就任してもメルケル氏は首相にとどまるのですね。

メルケル首相は、首相は今の任期の2021年までつとめたいとしており、党の運営をクランプカレンバウアー氏にまかせて、自分は外交や安全保障など国の仕事に専念したい考えです。ただ、党首に政策を異にする人物が就けば二人三脚は難しく、メルケルおろしが活発化する可能性もあります。また、右寄りの党首となると連立を組む中道左派の社会民主党との亀裂が深まり連立政権が揺らぎかねません。

Q.ドイツやEUにとって重要な党大会になりそうですね。

新しい党首は、党の次の首相候補になると見られます。メルケル路線の継承か、保守に転換か、EUの政策にも影響してきます。

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EUのけん引役を担ってきたメルケル氏に代わるリーダーは誰になるのか、また、それは2年後の選挙のときか、それとも意外と早くそのときが来るのか、新しい時代を迎えたドイツの政治に世界の目が注がれています。

(二村 伸 解説委員)

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