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「春闘 格差是正・高年齢者雇用は?」(ここに注目!)

堀家 春野  解説委員

連合は11月30日、来年(2019年)の春闘の方針について正式に決定します。
来年の春闘、注目点が2つあります。

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Q)その注目点とは?

A)まず、来年の春闘の方針、例年と少し違う点があるんです。基本給などを一律で引き上げるベースアップを2%程度、定期昇給を含め4%程度の上げ幅を求めるというのは4年連続です。ただ、来年はこの上げ幅だけでなく大手と中小の格差を是正するため「賃金水準」を重視するとしているんです。例えば、同じ業界でも賃金は様々です。一律2%のベアを求めるだけでは格差がますます広がってしまいます。連合は水準の指標を出していて、それも参考にしながら、それぞれの業界や企業で目指す水準を決めて交渉に臨んでほしいとしているんです。

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Q)実際にこうした賃金水準を元に交渉が行われるんでしょうか?

A)組合側の受け止めは様々です。そもそも水準を把握するのが難しいとか、水準より著しく低い場合、そして高い場合は交渉が難しいといった声があります。一方、人材をつなぎとめる意味でも業界の水準を出したほうが賃上げにつながる」といった声もあります。これから年明けにかけてそれぞれの組合が方針を決めていきます。格差是正につながるような交渉になるのか、注目です。

Q)2つ目の注目点とは?

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A)高年齢者の雇用です。現在、多くの企業が導入しているのが、60歳で定年した後、65歳まで再雇用する制度です。賃金が4割から5割程度ダウンするケースが多く、モチベーションが続かないといった声が高まっています。来年の春闘では、定年の延長、そして、賃金が大幅に下がらないようなしくみを求める、こうした動きが広がりそうです。
そして、賃金だけで無く働く環境の整備を求める動きもあります。特に製造業の現場では60歳以上の労災が増える傾向です。最新技術の導入など負担を軽減する対策も必要です。働く高年齢者が増え続ける中、来年の春闘ではそれぞれの職場にあった賃金制度、そして働く環境の整備が進むのか注目したいと思います。

(堀家 春野 解説委員)

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