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「大学入学共通テスト 課題の解決は?」(ここに注目!)

西川 龍一  解説委員

大学入試センター試験にかわって導入される大学入学共通テストの2回目の試行テスト、プレテストが、10日から2日間の日程で行われます。

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Q.どこに注目していますか?

A.タイトルにもある通り、プレテストを大学入学共通テストの実施に向けた課題の解決につなげられるのかという点です。共通テストの導入は、2021年からです。つまり、今の高校1年生が大学受験を迎える年が最初の実施です。今回のプレテストは、昨年度に続き2回目ですが、来年度には本番に向けた試験問題づくりに取りかかる必要があるため、大学入試センターは、本番前のプレテストは今回が最後と位置付けています。このため、1回目のプレテストで指摘された課題が改善されているのかが大きなポイントになります。

Q.どんな課題があったんですか?

A.いろいろあったんですが、最大の課題は、国語と数学に導入される記述式の問題に集中しています。記述式の問題は、受験生の思考力、表現力を問うために導入されることになりました。しかし、1回目のプレテストでは、国語で120字の記述を求めた問題で正答率がわずか0.7%でした。3問出された数学の記述式は、いずれも正答率が1割を切ったことに加え、受験した半数前後は問題に解答すらしていませんでした。これでは受験生の選抜には使えません。

Q.記述式はマークシートと違って採点も大変ですよね?

A.記述式は機械では採点できませんから、当初からそういう懸念はありました。去年のプレテストでは、テストの採点の問題に加えて、自己採点と採点結果が一致しなかったケースが2割から3割に上るという新たな課題も明らかになりました。共通テストの自己採点は、受験校を最終的に決める指針ともなりますから、受験生にとっては深刻です。

Q.改善は可能ですか?

A.実施時期を決めてしまっている以上、受験生にとっても利用する大学側にとっても改善は絶対条件でしょう。今回のプレテストは、実際のテスト会場となる全国の大学で現役の高校生84000人あまりが参加する大規模なものになります。さらなる課題が指摘される可能性もあり、大学入試センターにはこれまで以上に迅速でしっかりした対応が求められます。

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(西川 龍一 解説委員)

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