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「東海第二審査終了 再稼働へのハードルは?」(ここに注目!)

水野 倫之  解説委員

首都圏唯一の原発、茨城県の東海第二原発について、原子力規制委員会はきのう、20年間の運転延長を認可し、審査がすべて終了。水野倫之解説委員の解説。

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東海第二は特に課題が多く、今後もいばらの道が続きそう。

東海第二は特に課題が多く、今後もいばらの道が続きそう。
きのう審査というハードルは越えたが、
今後は地元の了解が得られるかが高いハードルとなって待ち構える。
というのも、これまでは立地自治体と県の了解だけで再稼働してきたが、
東海第二の場合、
これに加え周辺の5つの自治体から「事前了解を得る」という協定締結。
原発の地元としては初の試みで注目を集めたが、
このうち那珂市の市長が「市民アンケートで反対が65%を占めている」として先月再稼働反対を表明。関係者の間に衝撃。
しかし再稼働できないかというとそこはあいまい。
協定上、5つの自治体に拒否権はなく、意見が違った場合はどうするのか書いてない。
那珂市長は一自治体でも反対すれば再稼働できないと主張するのに対して、
原電・日本原子力発電は「納得いくまで協議する」と言うのみで、
再稼働の可否については触れない。
ただ了解を得るべき自治体の一つが反対を表明したわけで、
原電としては無視するわけにはいかず、再稼働へのハードルは一段上がった。

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ほかにも30キロ圏には全国最多の96万人が住んでいて、避難計画づくりのハードルが。
避難場所や移動手段の確保のメドが立たず、計画策定は3つの自治体にとどまる。
原電が再稼働を進めたいというのであれば、
周辺自治体ともひざを付き合わせて意見を聴いて安全対策を進め、
避難計画作りにも協力していく姿勢が求められる。

(水野 倫之 解説委員)

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