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「投票率アップどちらが波に乗る?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

きょう(6日)投票日を迎えるアメリカ議会の中間選挙は、有権者が近年になく高い関心を寄せていることから、投票率も異例の高さになるという見方が出ています。髙橋解説委員です。

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Q1)
どうして有権者の関心が近年になく高い?
A1)
この2年近くの“トランプ政治”にどのような審判を下すのか?投票用紙にその名は無くても、大統領に対する事実上の“信任投票”の様相を呈しているからです。実際どの世論調査でも有権者の関心は極めて高く、いわば投票率の“高い波”が起きる兆候があるのです。
実は、中間選挙の投票率は通常そんなに高くありません。近年は大統領選挙が60%前後に対して中間選挙は40%前後にとどまるのが通例でした。ところが今回は、すでに期日前投票を済ませた人が記録的に増えて3000万人を超え、全米の半数以上の州で前回を大きく上まわる出足を見せているのです。

Q2)
どういうところで期日前投票が多い?
A2)
やはり共和・民主両党が激しく競り合っているところが目立ちます。現に先週そうした激戦州のひとつ南部テネシーに行ってきたのですが、「必ず投票に行こう!」そう地元出身の超人気歌手テイラー・スウィフトさんが呼びかけた効果か?あるいはスウィフトさんが民主党候補に支持を表明したことへの反発もあったのか?投票所には長蛇の列が出来ていました。

Q3)
では投票率が上がったら、共和党と民主党のどちらが有利になる?
A3)
そこは、見方が分かれます。民主党は、これまで投票率が低い傾向にあった若者や、黒人・ヒスパニックなどマイノリティーの期日前投票が増えたことが“追い風”となり、下院の多数派奪還を目指したいとしています。これに対して共和党も、白人男性など、もともと投票率が高い傾向にある支持層が危機感を募らせて終盤に追い上げ、上下両院とも多数派維持は可能だとしています。
読み切れないのは女性有権者の動向です。すでに投票を済ませた人は女性が男性より多いのですが、共和・民主両党とも自分たちの得票が多いはずだと譲りません。はたして、いずれの党が“投票率の波”に乗ることが出来るのか?その結果はトランプ大統領が再選を目指す2年後の大統領選挙にも大きな影響を与えることになりそうです。

(髙橋 祐介 解説委員)

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