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「ドラフト会議 各球団の戦略は?」(ここに注目!)

小澤 正修  解説委員

ことしのプロ野球のドラフト会議が25日に行われます。担当は、小澤 正修解説委員です。

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Q。
ことしのドラフト会議で注目されるのは?

A。
「高校野球のミレニアル世代」とも呼ばれる、2000年生まれの高校生に関心が集まっています。甲子園をわかせた大阪桐蔭高校の根尾選手に藤原選手、金足農業の吉田投手、それに報徳学園の小園選手。中でも1年生の頃から活躍を続けてきた根尾選手は、ある球団関係者が「10年以上、中心選手として活躍できる素材」というほど潜在能力が高く評価されています。すでに中日、ヤクルト、巨人が1位指名を明言。そのほか複数球団が候補にあげていると見られています。去年は早稲田実業の清宮選手が高校生最多に並ぶ7球団の競合となり、日本ハムが交渉権を獲得しましたが、根尾選手への指名がどこまで競合するかも注目です。

Q。
かなり指名が競合するドラフト会議になりそうですが、“競合をさけて”とは思わないのですか?

A。
去年は清宮選手に話題が集中する中、DeNAは身長1メートル70センチの左ピッチャー、立命館大学の東投手を単独指名しました。その結果、12球団の新人でトップの11勝をマーク。新人王最有力候補となる活躍をみせましたので、こうしたいわゆる“一本釣り”を狙った戦略もあると思います。ですが、実はことしは、大学生にも東洋大学の“最速150キロ”トリオをはじめ、日本体育大学の松本投手、東妻投手など好投手がそろっています。ですから「抽選を外しても、実力派の選手をまだ指名できる」とも考えられるのです。豊作と言われた2010年のドラフト会議では、ヤクルトが1位指名で2回抽選を外し、3回目でようやく交渉権を得ましたが、それがのちに球界のスターとなった山田哲人選手でした。ことしも1位指名は、競合覚悟のトライがしやすいかもしれません。

Q。
午後5時開始の会議まで各球団はどのような行動をとるのでしょうか?

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A。
抽選を外した場合のシミュレーションを含め、指名する選手について、選手の潜在能力だけでなく、チームの補強ポイント、他球団の動き、フリーエージェントの選手の動向など、様々な要素から、開始ぎりぎりまで検討を行います。また、監督が交代した4球団では、指名への影響があるかもしれません。こうした結果、予定していた選手の指名を回避し、直前に別の選手の単独指名に方針転換することもあります。1位候補に好選手がそろうことしは、各球団にとって悩みどころでもあり、戦略が問われるドラフト会議になりそうです。

(小澤 正修 解説委員)

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