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「日豪・日韓 防衛協力で明暗?」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

イラスト解説「ここに注目」です。
日本とオーストラリアの外務・防衛の閣僚協議、2+2が、きょう、
シドニーで開かれます。増田解説委員です。
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Q1)
増田さん、今回の2+2、何が話し合われるのでしょうか。
A1)
はい。日本とオーストラリアはともに、アジア太平洋地域にあるアメリカの同盟国で、互いに「特別な戦略的パートナー」と認め合っています。今回の協議には、河野外務大臣と岩屋防衛大臣が出席しますが、主に両国の防衛協力の強化について話し合われる見通しです。
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Q2)
日本は、オーストラリアを重視しているんですね。
A2)
そうです。日本の同盟国はアメリカ。日本は、そのアメリカと同盟関係にあるオーストラリアを、「準同盟国」と位置づけて、防衛協力を強化する考えです。
イギリスやフランスについても、同様に準同盟国として、近年、防衛協力を加速させています。日米を軸とした上で、日豪、日英、日仏と、関係を強化して、防衛体制に厚みを持たせる狙いがあります。
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Q3)
ただ、このイラストをみると、岩屋防衛大臣は、韓国の方を気にしているみたいです。
A3)
そうなんです。実は今、隣国の韓国との間で、防衛協力をめぐって、揉め事が起きているからなんです。
あす、韓国は、各国の海軍などを招いて「国際観艦式」を行います。日本の海上自衛隊も、護衛艦を派遣する予定だったんですが、韓国政府が外交ルートを通じて、参加にあたっては、海上自衛隊の自衛艦旗である「旭日旗」の掲揚を自粛するように要請してきたんです。
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Q4)
なぜですか。
A4)
近年、韓国国内で、「旭日旗は、戦前の日本軍国主義の象徴だ」という批判が高まっていることが背景にあります。
これに対し、日本は、「国際法上、旭日旗は、自衛隊に所属する艦船であることを示す外部標識にあたる。掲揚をやめることはできない」という立場です。ただ、旭日旗を掲げたまま参加すれば、韓国が反発し、外交関係が悪化する恐れがある。このため、政府は、参加そのものを見送ったんです。
日本は、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展をふまえ、韓国との防衛協力を重視してきました。今回の問題が、これに、冷や水を浴びせる格好になったのは確かで、こと防衛分野での日韓協力の難しさが改めて浮き彫りになりました。
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(増田 剛 解説委員)

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