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「米国務長官 訪朝で非核化は?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

イラスト解説ここに注目です。北朝鮮の非核化で進展を図るため、アメリカのポンペイオ国務長官は、あす(6日)日本に立ち寄った上で、翌日(7日)、北朝鮮を訪問し、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と会談します。髙橋解説委員です。

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Q1)
ポンペイオ長官の訪朝はこれで何回目?
A1)
CIA長官時代も含めると4回目ですが、国務長官としては3回目になります。日本には「三度目の正直」という諺があります。ポンペイオ長官は「米朝双方が理解を深め、交渉の進展をはかり、今後の計画を立てられると期待している」と述べ、再び米朝首脳会談を調整し、遅遅として進まない北朝鮮の非核化に道筋をつけたいと意欲を語っています。そう言うからには、朝鮮戦争の終結宣言の時期などをめぐり、何らかの合意に手が届きそうな算段があるのかも知れません。

Q2)
そんなにうまく話が進むでしょうか?
A2)
かなり厳しいでしょう。まだ交渉は緒に就いたばかりです。しかも、このところの各国それぞれの事情を見ると、北朝鮮の思わくどおり事が運んでいるようにも見えるからです。

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現にトランプ大統領は、あすで中間選挙まで1か月。足もとがグラつきがちで“眼に見える成果”に喉から手が出そうな状態です。先頃は「キム委員長と恋に落ちた」と言い放ち、前のめり気味です。また、韓国のムン・ジェイン大統領も、経済低迷で支持率が急落し、米朝合意に恋々としています。さらに、中国の習近平国家主席も、貿易摩擦でトランプ大統領とは疎遠になった一方で、キム委員長との関係は持ち直しました。そんな各国をまるで手玉にとってきたかのようなキム委員長。よほどの恋愛のかけひき上手かも知れません。

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Q3)
どうすれば、非核化に近づけるでしょうか?
A3)
「恋に焦りは禁物」です。北朝鮮は過去に大きく2度、非核化への取り組みを約束しながら欺いたことがあったからです。1994年の米朝枠組み合意も、2005年の6か国協議の共同声明も反故にされました。諺には「二度ある事は三度ある」というものもあります。もし今回も同じなら、騙した北朝鮮より騙された方が悪いと、のちのち後悔することになりかねません。

(髙橋 祐介 解説委員)


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