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「自民党総裁選 安倍首相訪ロで石破元幹事長は」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

自民党総裁選挙は、北海道の地震を受けて延期された、立会演説会と共同記者会見が、9月10日行われ、選挙戦が本格的に始まります。こうした中、午後には、ロシア極東のウラジオストクで日ロ首脳会談が行われます。

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Q)安倍総理大臣は、演説会などに出席した後、午後にはロシアに向かうのですね。
A)地震や台風など相次ぐ災害への対応を優先するという、安倍総理大臣の判断は当然だというのが、安倍・石破両陣営に限らず、党内の受け止めでした。
一方、10日のプーチン大統領との首脳会談で、北方領土問題の進展が必ずしも見通せない中、あえてこの時期にロシアを訪問するのは、この問題を少しでも前進させたいという、現職の総理大臣としての責任感を示す狙いもあるかもしれません。
さらに、プーチン氏をはじめ、トランプ大統領や習近平国家主席など各国の手ごわい指導者と、今後も渡り合えるのは自分しかいないという自信の表れといってもいいと思います。

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Q)対する石破元幹事長の策は。
A)論戦を通じて、党員の支持拡大を図りたいだけに、安倍総理大臣の国内不在は、数日とはいえ、歯がゆいはずです。
本格的な論戦は、帰国後の14日から1週間程度に限られ、選挙期間は事実上短縮された形です。
陣営では、もともと、地方演説会が今回は4か所と、6年前に比べ少ないことに不満を募らせていました。
石破元幹事長は、今後、スタンスの違いが明確な憲法改正、具体的には9条の取り扱いや、災害対策を一元的に担う「防災省」の創設などの持論を展開し、議論の活性化を目指すものとみられます。

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Q)20日までの選挙戦、どのように進みますか。
A)自民党総裁選挙での一騎打ちは、立候補に推薦人が必要になった1972年以降、今回を含めて4回しかなく、ましてや現職の総理を敵に回してとなると、初めてのケースです。
さらに来年は、参議院選挙と統一地方選挙が同じ年に行われる12年に一度の年。
「選挙の顔」として、どちらがふさわしいかという観点から、両陣営による党員へ働きかけや奪い合いがいっそう激しくなることが予想されます。
ですが、言うまでもなく、自民党総裁選挙は、事実上総理大臣を決める選挙です。
国民、有権者にも届く、日本の将来を見据えた政策論争に期待したいと思います。

(曽我 英弘 解説委員)

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