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「東京五輪・パラ前にサイバー対策本格化」(ここに注目!)

権藤 敏範  解説委員

2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックを、サイバー攻撃から守ろうと、政府は、対策を本格化させました。権藤解説委員です。

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Q1)オリンピックでもサイバー攻撃を警戒しなければならないのですね?
A1)国際的なスポーツ大会や国際会議などは、サイバー攻撃の対象になりやすく、中でも多くの国が参加するオリンピックは狙われやすいと言えます。
サイバー攻撃を受けると、大会のホームページが見られなくなったり、チケットを受け取れなくなったりするかもしれません。
こうしたことを防ごうと、政府は、先月、新たな戦略をまとめました。具体的には、サイバー攻撃を予測したり、復旧を支援したりする組織を立ち上げるなどとしています。

Q2)ことし2月に韓国で開かれたピョンチャンオリンピックも、サイバー攻撃を受けたのですか?
A2)はい、大会の公式サイトや競技結果のデータシステムなどに障害が発生したとされています。ただ、大会の組織委員会は、「問題はなかった」として、詳細を明らかにしていません。

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Q3)どうして明らかにしないのですか?
A3)具体的な対策の中身を知られたくないなどの理由が考えられます。
実は、ピョンチャンオリンピックに限らず、過去のサイバー攻撃の事案でも、詳細が明かされないことが多いのです。
しかし、どのようなものか分からないと、必要以上に、不安や混乱が広がる結果となります。
そこで、政府は、今回、サイバー攻撃の基準を導入することも決めました。みんなが共通の認識を持つことで、的確な対応につなげるという狙いがあります。

Q4)どのような基準になるのですか?
A4)鉄道や電力など重要なインフラがサイバー攻撃を受けた場合に、深刻さの程度を、レベル0から4までの5段階で評価して公表します。例えば、複数の交通機関が同時にマヒするなど、著しく深刻な影響がある場合は、レベル4に相当する可能性があります。ただ、関係者は、「レベルの判断は多くの指標を踏まえて行うので容易ではない。最初は、公表までに時間がかかるだろう」と話しています。
IT技術の普及に伴い、東京大会は、これまで以上に、サイバー攻撃を受けると見られています。守りにすき間が生じないように、官民が一体となって対策を講じていくことが急務だと思います。

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(権藤 敏範 解説委員)

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