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「オスプレイ佐賀配備 協議再開へ」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

新型輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画をめぐって、小野寺防衛大臣は、きょう、佐賀県を訪れ、山口知事と会談します。
増田解説委員です。

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Q1)
増田さん、そもそも、防衛省が佐賀にオスプレイを配備しようとする狙いは、どこにあるのでしょうか。

A1)
背景にあるのは、国際情勢、つまり、中国が東シナ海への進出を強めている現状があります。この中国の動きをにらみ、政府は、南西諸島防衛を強化する必要があると考えていて、ことし3月、長崎県佐世保市の陸上自衛隊の駐屯地に、上陸作戦を専門とする「水陸機動団」という部隊を発足させました。
防衛省は、この水陸機動団の隊員や物資の輸送に、オスプレイを活用したい考えで、17機を順次、導入し、佐賀空港に配備する計画です。

Q2)
計画に対する地元の反応は、どうですか。

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A2)
国防への協力は必要だとして、受け入れに前向きな意見がある一方で、配備予定地となっている土地を所有する漁業者の間では、反対論が根強くあります。予定地の造成によって、海の環境が変わり、漁業に影響が出るのではないかと心配しているんです。
また2月には、佐賀県内で、陸上自衛隊のヘリコプターが民間の住宅に墜落する事故がありました。アメリカ軍が運用するオスプレイのトラブルが相次いでいたこともあって、この事故を機に、オスプレイの配備を不安視する地元の声に拍車がかかりました。そして、事故以来、配備に向けた国と自治体の協議も、中断していたんです。

Q3)
では、きょう、小野寺大臣が佐賀県を訪れることで、協議が再開するんですね。

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A3)
そうです。小野寺大臣としては、5月末に、「ヘリ事故の原因は、部品の損傷であり、操縦ミスや整備ミスではない」とする中間報告がまとまり、国会も終わったことで、そろそろ、協議再開のタイミングだと考えたのでしょう。
山口知事との会談では、事故の再発防止に向けた取り組みや、オスプレイを配備した場合の安全対策を、直接、説明することで、配備に理解を求めたい考えです。
一方の山口知事。漁業者を中心に根強い反対がある中で、きょうの会談を経て、オスプレイ受け入れの是非について、どのような判断を示すのか。今後、注目が集まりそうです。

(増田 剛 解説委員)

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