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「豪雨支援最優先も国会最終盤攻防激化へ」(ここに注目!)

曽我 英弘  解説委員

記録的な豪雨による甚大な被害を受けて、政府与党は、被災者支援を最優先に取り組む一方で、国会最終盤の来週、重要法案の成立をめぐって、野党との攻防が再び激化する見通しです。
曽我英弘解説委員です。

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Q1)豪雨を受けて、政府や与野党で、予定した日程の取り止めが相次いでいるようですね。

A1)安倍総理大臣は、EUとのEPA=経済連携協定の署名式を行うため、今月11日から予定していた、ベルギーなどヨーロッパ・中東4カ国訪問を中止したほか、野田総務大臣も来週の中国訪問を取りやめました。
政府は、復旧にかかる費用を政府が支援する激甚災害の指定を急ぐ方針で、与党内からは補正予算を組むべきとの声も出ています。
過去には、災害対応の遅れを指摘され、政権運営につまずいたケースもあり、万全の対応を示す狙いもあるものと見られます。

Q2)野党などからは、政府の初動に批判の声も上がっているようですが。

A2)気象庁が大雨への警戒を呼びかけた5日夜、自民党議員が安倍総理大臣らを招いて宿舎で懇親会を開いたことについて、出席した閣僚の一人は、対応に遅れはなかったと説明する一方で、与党内からも慎重にすべきだったとの声もあります。
立憲民主党などは、廃案を目指すカジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備法案を担当する石井国土交通大臣に、国会対応より今は災害対応に専念するよう求めるなど、法案審議を急ぐ政府与党をけん制しています。

Q3)今の国会は今月22日までですよね。最終盤の国会、どうなりますか。

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A3)政府与党は、IR整備法案のほか、参議院の定数を6増やす公職選挙法の改正案などの重要法案を今の国会で成立をさせることは譲れないとしています。
野党側が反発を強めるのは必至で、安倍内閣に対する不信任決議案の提出のタイミングを探ることになりそうです。
国会最終盤に攻防が激化するのは避けられないにしても、政府、与野党には、豪雨の被災者への支援策のあり方も含めた建設的な議論を求めたいと思います。

(曽我 英弘 解説委員)

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