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「国民投票法改正見送り、憲法改正は?」(ここに注目!)

権藤 敏範  解説委員

憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案は、今の国会での成立が見送られることになりました。権藤解説委員です。

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Q1)国民投票法の改正案は、先週5日に、衆議院の憲法審査会で、審議入りしたばかりでしたよね?
A1)はい、自民党は、国民投票法改正案というオードブルを成立させて、メインディッシュの憲法改正の議論に入りたかったのですが、野党側が反対し、なかなか思惑通りはいかないようです。

Q2)国民投票法の改正案という料理が良くなかったのですか?
A2)改正案自体は、投票所を、駅の構内やショッピングセンターに設置できるようにするなど、投票しやすい環境を整えることが狙いなので、与野党に大きな対立点はありません。
ただ、立憲民主党などは、改正案の中身ではなく、与党側の強引な国会運営や、森友学園や加計学園をめぐる問題への不誠実な対応を批判し、落ち着いて議論できる環境にはないと主張しています。

Q3)では、料理を出し直すことになるのですか?
A3)いいえ、与党側は、今の改正案を、引き続き、次の国会で審議して、速やかに成立させたい考えです。
ただ、野党側は、テレビCMの規制などもあわせて検討し、国民投票の際に、政党などの資金力の差によって公平性が失われないようにすべきだと指摘していますので、議論が進むのか不透明です。

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Q4)では、後ろにある、自民党のメインディッシュ、憲法改正は、なかなか出てきそうにないですね?
A4)私が取材した国会関係者は、「憲法改正をレガシーにしたいとか、政争の具に利用しようとか考えて、与野党が対立しているうちは実現しない」と強調しています。
憲法審査会は、与野党が、国会での対立とは距離を置いて、幅広い合意形成を図る事を重んじてきました。
各党それぞれに立場の違いはあるでしょうが、審査会の原則に立ち返って、憲法をめぐる課題や現状について、良識のもとに丁寧な議論を重ねて欲しいと思います。

(権藤 敏範 解説委員)

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