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「北朝鮮非核化 日本が技術協力か」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

河野外務大臣は、きょう、ウィーンにあるIAEA・国際原子力機関本部を訪れ、天野事務局長と会談します。
増田解説委員に聞きます。

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Q1)
このイラスト、河野大臣と天野さんのデュオ、二重奏ですね。

A1)
はい。ウィーンと言えば、モーツァルトやベートーベンが活躍した「音楽の都」ですから、河野大臣と天野さんが、北朝鮮の非核化をテーマにしたソナタを奏でているという絵にしてみました。

Q2)
IAEAの天野さんは、元々、日本の外交官ですよね。

A2)
そうです。かつては、軍縮や核の不拡散を担当する外務省幹部でした。河野大臣も、気を置かずに話し合えるでしょうし、密度の濃い意見交換を期待できるのではないでしょうか。

Q3)
具体的には、何が話し合われるのですか。

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A3)
米朝首脳会談で合意した北朝鮮の非核化を、どのように進めるかが焦点になります。
日米が想定する非核化のプロセスでは、まず北朝鮮が、保有する核兵器や核関連施設の全容を申告し、IAEAが査察を行って、申告内容を検証します。安倍総理は、査察の初期費用を日本が負担する考えを示していますので、会談では、査察の進め方や費用負担について、
話し合うことになるでしょう。
さらに、査察の後には、核施設の解体・撤去を行うことになります。日本は、核施設の解体は、放射線量の高い環境での作業が必要になるとみていますので、原発事故での知見や原発の廃炉に関する技術を提供することも検討しています。
日本としては、こうした技術支援を行うことで、北朝鮮の非核化に積極的に関与する姿勢を示す狙いがあります。

Q4)
ただ、北朝鮮が、受け入れるでしょうか。

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A4)
正直言って、まだよくわかりません。
そこで注目されるのが、今週行われる米朝協議です。
アメリカのポンペイオ国務長官は、近く北朝鮮を訪問し、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と会談する予定です。
そして、この後、ポンペイオ長官は日本を訪れ、ヨーロッパから帰国する河野大臣と、8日に会談します。
この席で、米朝協議について日本側に説明が行われ、北朝鮮が今、何を考えているかも、ある程度、明らかになるでしょう。
当面は、この動きに注目したいと思います。

(増田 剛 解説委員)

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