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「米朝首脳会談直前、見守る日本政府は?」(ここに注目!)

権藤 敏範  解説委員

史上初めての米朝首脳会談が、シンガポールで、まもなく始まります。権藤解説委員です。

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Q1)2人の真剣勝負がいよいよ始まりますね。

A1)はい、トランプ大統領としては、「体制保証」、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は、「非核化」というカードを、いかに有効に使うのかが、交渉を有利に進める上で、ポイントとなりそうです。
後ろでは、トランプ大統領ときのうも電話で会談し、作戦をすり合わせてきた安倍総理が、勝負の行方を、固唾を呑んで見守っています。

Q2)安倍総理、心配そうにも見えますが?

A2)そうですね。トランプ大統領が、成果を残したいばかりに、安易な合意に走るのを心配しているのです。
今回の会談では、北朝鮮の、完全で、検証が可能、そして後戻りできない非核化で、合意できるのかが焦点です。
ただ、仮に合意に至ったとしても、言葉だけの非核化で、アメリカが、韓国や中国などとともに、北朝鮮への圧力や制裁を緩めることになれば、非核化の実現まで制裁を緩めてはならないとしている日本だけが、強硬派として孤立する恐れもでてきます。
    
Q3)日本にとっては拉致問題も重要ですよね?

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A3)その通りです。予測不能なトランプ大統領といえども、「提起を100%保証する」と約束しただけに、拉致問題のカードを示す可能性は高いと思います。
ただ、今回の会談で、拉致問題が取り上げられたとしても、これは、日本と北朝鮮で直接、話し合わなければ解決できません。
新たなテーブルを持ってきた安倍総理は、日朝首脳会談に強い意欲を見せています。
しかし、北朝鮮の「拉致問題は解決済み」という立場を崩し、すべての拉致被害者の帰国を実現させるのは、なかなか容易ではないという見方もあります。
米朝首脳会談の結果を、世界が賞賛したとしても、日本外交にとっては、試練の始まりとなるかもしれません。

(権藤 敏範 解説委員)

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