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「日本版海兵隊!? 発足」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

陸上自衛隊の大規模な組織改編が、きょう付けで行われ、「水陸機動団」という新たな部隊が編成されます。狙いはどこにあるのか。
課題は何か。増田解説委員です。

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Q1)
この水陸機動団、「日本版海兵隊」とも言われるそうですが、どんな部隊なんですか。

A1)
はい。防衛省は、離島への侵攻に対し、速やかに上陸・奪回するための水陸両用作戦能力を備えた部隊だと説明しています。つまり、日本の領土の島を、外国の軍隊などが占領した場合、島を取り返すため、海岸などから上陸して、敵を追い払うことを任務とした部隊です。
よく第二次世界大戦をテーマにした映画などで、アメリカ海兵隊の上陸作戦のシーンが出てきますよね。あれを思い浮かべてもらえば、イメージしやすいと思います。もちろん、規模は違いますけれど。

Q2)
それで、日本版海兵隊と言われるんですね。

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A2)
そうです。この水陸機動団は、アメリカ海兵隊がイラク戦争などで使用した水陸両用車「AAV7」を導入します。隊員や物資を輸送するため、新型輸送機オスプレイも活用する予定です。
南西諸島の防衛をにらんで、長崎県佐世保市の相浦駐屯地に部隊の本部が置かれ、まずは、隊員およそ2100人の態勢で発足します。

Q3)
こうした部隊が作られる背景には、尖閣諸島の問題などがあるんでしょうか。

A3)
そうですね。近年、海洋進出の動きを強め、尖閣諸島の問題では、日本と対立している中国を意識しているのは、明らかです。
こうした状況のもと、政府は、水陸機動団を新設し、有事の際、南西諸島に機動的に部隊を展開できる態勢を整えておくことで、抑止力と対処力を高めることができるとしています。

Q4)
ただ、逆に警戒されたりしませんか。

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A4)
そうした意見もあります。政府は、抑止力を高めると言いますが、逆に近隣諸国を刺激し、更なる軍拡競争を招くのではないかという意見です。また、上陸作戦まで行える能力を持つ部隊を作ることは、戦後、日本が掲げてきた「専守防衛」の基本方針を逸脱することにつながるのではないかという意見もあります。
いずれにせよ、水陸機動団の創設は、自衛隊の役割を大きく拡大する動きであることは間違いありませんので、今後も、その動向を注視していく必要があると思います。

(増田 剛 解説委員)

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