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「新幹線 もうひとつの重大トラブル」(ここに注目!)

中村 幸司  解説委員

新幹線で起きた重大トラブルの再発防止策を、JR東海が、2018年2月7日に発表しました。

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Q)どんなトラブルなのか?

A)「新幹線の重大トラブル」というと、2017年12月に見つかった台車の亀裂のことを思い出しますが、「もうひとつ」つまり別の重大なトラブルがありました。
2017年3月に起きたもので、これは鉄道関係者に衝撃が走ったトラブルです。

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東海道新幹線には、大きな地震のとき車輪がレールから外れないようにする「脱線防止ガード」(図中の赤い部分)の設置が進められています。
すでに、東京・新大阪間の40%に取り付けられていますが、このうち、長さ4メートルのガード1本が、ボルトがゆるんだために外れました。

Q)外れたことが、重大トラブルということか?

A)外れただけでなく、ガードが列車の台車に接触しました。外れかかったガードが、列車が通過する際に跳ね上がって、台車に接触したと見られています。
走行に支障はありませんでしたが、このとき、時速255キロで走っていました。

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Q)そんな高速で接触したというのは、危険だったのでは?

A)接触の仕方によっては、台車が損傷して、大きな事故につながりかねないものでした。JR東海は「二度と起こしてはならない、想定外の重大トラブルだった」としています。

Q)再発防止策は、どうなっているのか?

A)JR東海は、トラブルのあと、すでに取り付けている80万本あまりのボルトすべてを1週間に1度、ゆるんでいないかどうか点検するということを続けています。
今後の再発防止策として、
▽ボルトがゆるまないよう固定する部品を取り付けるとともに、
▽ガードが引っかかりによって上に抜けないように一部設計を変えると発表しました。

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Q)これで大丈夫なのか?

A)脱線防止ガードは、車体や車輪の近くに取り付けられるので、万全の管理が必要です。
JR東海は「二重三重の対策をした」と説明していますが、再び「想定外」というのは許されません。
安全性をさらに高められないのか、今後も今回の対策の検証が求められます。

(中村 幸司 解説委員)

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