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「北朝鮮問題 問われる外交の力」(ここに注目!)

出石 直  解説委員

核・ミサイル開発をやめようとしない北朝鮮への対応を協議する外相会合が、16日、カナダのバンクーバーで開かれます。出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1.バンクーバーでの会合、どんなことが話し合われるのでしょうか?

A1.ひとことで言えば、対北朝鮮政策の行き詰まりを打破する、そのための知恵を出し合う場となるでしょう。会合には共同議長を務めるカナダのフリーランド外相、アメリカのティラーソン国務長官のほか、朝鮮戦争の国連軍に参加したイギリスやオーストラリアなどの国々の外相クラス、それに日本の河野外務大臣や韓国のカン・ギョンファ外相らが出席する予定です。

Q2.なぜ北朝鮮問題をカナダで協議するのでしょうか?

A2.カナダはアメリカの同盟国、NATOの一員です。しかし、イラク戦争の際には国連の安保理決議がないことを理由に派兵を見送るなど、アメリカ一辺倒ではない独自の外交路線をとっています。また超大国ではない“ミドルパワー”を標榜し、アメリカとキューバが国交を回復した際には秘密交渉の場を提供するなど仲介役を果たしたことでも知られています。トランプ政権の中では対話重視の立場をとっているティラーソン国務長官とともに、“外交の力”で北朝鮮の核・ミサイル問題の解決に向けた活路を見出そうとしているのだと思います。

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Q3.ことしになって北朝鮮が韓国との対話に乗り出すなど新たな動きも出てきましたね。

A3.北朝鮮の真意はどこにあるのか、南北の対話が朝鮮半島の非核化に向けた米朝対話につながるのかなど、最近の動きについても活発な意見が交わされることになるでしょう。
トランプ大統領は先週行われた韓国のムン・ジェイン大統領との電話による首脳会談で「南北対話が進んでいる間は、どんな軍事的行動もないだろう」と述べています。一方、北朝鮮は非核化の交渉には応じないという頑なな姿勢を崩していません。
北朝鮮の態度を変えるためにはどんな外交努力が必要なのか、制裁の抜け穴を塞いでより効果的なものにするためにはどうすれば良いのかなど、まさに“外交の力”が問われる会合になると思います。

(出石 直 解説委員)

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