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「イージス・アショア導入 場所は?価格は?」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

政府は、地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入をまもなく決定します。増田解説委員です。

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Q1)
このイージス・アショア、北朝鮮を意識したものですよね。

A1)
そうです。ミサイル発射を続ける北朝鮮の脅威に対応するものです。現在、日本のミサイル防衛は、イージス艦に搭載する海上配備型のSM3と、地上配備型のPAC3の二段構えです。日本に落ちてくる弾道ミサイルを、SM3が大気圏外で撃ち落とし、撃ちもらした場合は、PAC3が大気圏内で撃ち落とすというものです。
今回、導入するイージス・アショアは、イージス艦と同じ機能を持つ地上型の施設で、2基で日本全土をカバーできるとされています。
北朝鮮がミサイル発射を繰り返す中、日本海に常時、展開することを余儀なくされているイージス艦の負担を軽減し、迎撃態勢に厚みを持たせるものです。

Q2)
いつ頃、配備されるんでしょうか。

A2)
政府は、配備までには、5年程度はかかるとみています。
小野寺防衛大臣は、最速で導入したいとして、必要な経費を、来年度予算案から前倒しして今年度の補正予算案に盛り込み、アメリカとの契約を急ぐことにしています。

Q3)
急いでも、5年先なんですね。

A3)
配備する場所を決めた上で、そこに一から施設を建設しなくてはなりませんから、それくらい、かかってしまいそうです。そして、その配備先なんですが、北朝鮮からのミサイルを、日本海の上空で迎撃する想定ですから、日本海側の2か所、東日本と西日本に1基ずつということになります。まだ本決まりではありませんが、秋田市と山口県萩市にある陸上自衛隊の演習場が候補地となっています。

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Q4)
お金は、どれくらいかかるんでしょう。

A4)
はい。価格について、防衛省は、先週、自民党の会合で、1基あたり1千億円弱という見通しを示しました。秋ごろは、8百億円程度と説明していましたから、早くも、見通しを上方修正した格好です。
私が、アメリカの軍需産業の関係者に取材したところでは、「最新型のレーダーを導入することになるだろうし、全体のコストは、今の見積もりより膨らむ可能性が高い」と話していました。
ただ、ミサイル防衛システムも、その対応能力には限界があります。
北朝鮮の脅威を理由にして、防衛装備の導入が、知らず知らずのうちに、費用対効果の視点を欠いた、「行け行けどんどん」の姿勢になっていないか。当然、年明けの国会論戦でも、大きな焦点になります。

(増田 剛 解説委員)

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