2009年10月21日 (水)おはようコラム 「再審 録音テープの持つ意味」
(阿部キャスター)
足利事件で、17年半ぶりに釈放された菅家利和(すがや・としかず)さんの、再審・やり直しの裁判がきょう(21日)から始まります。友井解説委員です。
Q1:足利事件では、DNA鑑定が問題になっていましたが、その後、取り調べの様子を録音したテープの存在が明らかになって、注目されているのですね?
A1:菅家さんが、うその自白をさせられた過程がわかる記録として、注目されています。
菅家さんと弁護団は、法廷でテープを流すよう求めていますが、検察は必要ないと主張し、裁判の証拠として採用されるかどうか、まだわからない状況です。
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Q2:テープには、どのようなことが録音されているのですか?
A2:弁護団の話では、菅家さんが無実を訴えたのに、撤回させられた様子が録音されているということです。
裁判が始まっている段階で、検察官が、法廷とは違うところで、DNA鑑定で一致していると追及して、再び犯行を認めさせ、審理にも影響を与えた疑いが出ています。
また、菅家さんが、足利事件とは別の事件を自白させられた時の録音もありました。
Q3:うその自白は、足利事件だけではなかったのですね?
A3:自白以外の証拠がなくて起訴はされなかったのですが、同じように女の子が殺害された2つの事件も、認めさせられていました。
死刑になりかねない自白ですが、やってもいない人が、重大な犯行を認めることは、心理学の研究でも、ありうることだということです。
ひとりぼっちで追及され続ける苦痛や、何を言っても聞いてもらえない絶望感のためだということで、テープを分析すれば、ウソの自白が作られる仕組みが、もっと詳しくわかる可能性があります。![]()
Q4:テープの検証は欠かせませんね。
A4:今の捜査や裁判は、取り調べが大きな比重を占めています。
かつて、菅家さんを無期懲役にした判決も、犯行の状況や、どの段階で殺意が生じたかなど、詳細に認定していましたが、それは、うその自白に基づいていたのです。
無実の人が、どうして、やってもいない事件を詳しく供述したことにされてしまうのか、その点を明らかにしないと、捜査や裁判の問題点がわかりません。
このテープから教訓を得て、今度は逆に信頼回復の手がかりにできるかどうか、そこが試されます。![]()
取り調べの様子を録音することは、供述の内容を検討するために、時々あるということですが、表に出ることは、めったにありません。
今回、存在が明らかになったテープを、今後、捜査や裁判全体の改善に生かせないと、司法への信頼は取り戻せません。
投稿者:友井 秀和 | 投稿時間:08:39
