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「タクシー『ちょい乗り』値下げ 背景は?」(ここに注目!)

松本 浩司  解説委員

来週から東京のタクシー料金が変わり、短い距離を乗る場合、値下げになります。
その背景について松本解説委員に聞きます。

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Q)料金はどう変わるのですか?

A)
「ちょっとこの先までタクシーに乗りたい」、いわば「ちょい乗り」をしやすくしようという変更です。
これまで東京の初乗り運賃は「2キロまで730円」でしたが、「1キロまで410円」になります。
短い距離は値下げですが、長い距離、6.5キロを超えると値上げになり、全体としてタクシー会社側の収益がこれまでと変わらないようになっています。

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Q)なぜ、そんな風に変えるんですか?

A)
まず、初乗り運賃が「海外の大都市にくらべて高い」という声が外国人観光客などから寄せられたこと。
またタクシー業界は売り上げが減り続けているため、観光客やお年寄りなどのニーズを掘り起こしたいという狙いがある。

全国のタクシー業界はいま大きな改革に取り組んでいて、これは第一段。
次は、国土交通省がタクシー会社に呼びかけて、タクシーの相乗りの実験を始めることになっています。
スマートホンで利用者をマッチングして、例えば、終電に乗り遅れて同じ方向に帰る人に相乗りをしてもらおうというものです。
またタクシーに乗る時点で料金を確定するという実験も行われます。

Q)タクシーも変わっていきそうですね?

A)
こうした取り組みの背景には、タクシー業界にとっていわば「黒船」とも言える、「ライドシェア」への警戒感があります。
スマートホンのアプリを使って利用者を集め、一般のドライバーが自家用車で目的地まで運ぶ。アメリカや中国などで急速に広がっている。日本では「白タク」にあたるとして原則、認められていませんが、導入すべきだという声もあります。
タクシー業界は、こうした動きに先手を打って改革を進めようとしているんです。

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「ライドシェア」をどこまで取り入れるのか、慎重な議論が必要です。
安全を最優先したうえで、新しい情報通信技術を生かして、利用者にとってメリットのある、どのようなサービスが可能になるのか、今後の注目点です。

(松本 浩司 解説委員)

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