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「フィリピンの新大統領は」(ここに注目!)

広瀬 公巳  解説委員

過激な発言で「フィリピンのトランプ」として注目を集めたドゥテルテ大統領。
就任からまもなく一週間になります。
内外の課題にどのようにとりくもうとしているのでしょうか。

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Q 新しい大統領の様子はどうですか。

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A 相変わらず歯に衣きせぬ発言をしています。
こちら、ドゥテルテさんの好きなオートバイです。
先週の就任演説では大統領の職務について「運転は荒いから覚悟してくれ」と述べています。
目立つ発言は、選挙対策の一時的なものではなかったようです。
「犯罪者は超法規的につまり裁判を経なくて処刑してよい」などと人を驚かせるような発言を続けています。
そこでドゥテルテさんにはフィリピンのトランプのほかに、もう一つのアダ名があるんです。

Q それは何という名前ですか。

A 「フィリピンのダーティハリー」です。
警察の力にたよらずに悪者を退治した映画の人物にちなんだ名前です。
「ドゥテルテ・ハリー」という人もいます。
夜間の外出を禁止する、アルコールの販売を規制する、そして、死刑制度を復活すると、型破りな政策を口にして、国内では強面の強い大統領として治安の改善を進める構えです。

Q 国内では、というのはどういうことでしょうか。

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A 外交では少し事情が違うかもしれません。
銃口も上を向きましたね。
来週は中国と対立している南シナ海の問題について国際法廷の判断が示される予定です。
しかし、長年フィリピン南部の島で市長を勤めてきたドゥテルテさんには、国政や外交の経験はありません。
アメリカや日本との連携を強めた前の大統領とは事情が異なります。  
中国との直接対話の可能性について触れるなどこれまでの発言を見る限りどれだけ中国との対決姿勢を見せるのかはわかりません。

Q 内向きと外向きで強さが違うのですね。

A ドゥテルテさんは、国民の支持を得て選ばれた大統領ですが、まだ就任したばかりで政権としての基盤が固まっているわけではありません。
経済政策もあまり得意でないようです。
威勢のいい発言だけでなく、内外の課題に大統領としてきちんと対処していけるのか。
それ次第で、ドゥテルテさんの次のアダ名も変わってくると思います。

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