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ここに注目! 「シリア難民流出は止まるか」

二村 伸  解説委員

EU=ヨーロッパ連合は、17日から首脳会議を開き、深刻化している難民問題への新たな対応策をめぐって一致することができるか注目されます。二村伸(にむら・しん)解説委員です。

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Q1.新たな対応策はどんな内容ですか?

A.難民の経由地となっているトルコとの間で先週大筋合意したもので、その柱はトルコからギリシャに違法に渡った人たちを全員トルコに送還し、代わりに同じ数のトルコ国内にいるシリア難民をEUが受け入れるというものです。難民も移民も区別なく密航者を全て送り返すことを認めるというトルコの大胆な提案にEU首脳も驚いたということです。

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Q2.トルコの意図は何なんでしょうか?

A.その見返りです。トルコにいる難民をEUに移す以外に、EUからの資金援助を去年EUが約束した額のほぼ2倍、60億ユーロに増額することや、トルコのEU加盟交渉を加速させることなどです。エルドアン大統領は去年、ヨーロッパ側との国境を難民に開放すると脅したこともあり、EUは難民をカードに使うトルコを邪険に扱うことはできないのです。

Q3.それで難民問題は解決に向かうのでしょうか?

A.実現すれば難民問題の大きな転換点になると期待する人もいますが、曲折が予想されます。不法移民だけでなく難民として保護を求めようとする人まで追い返すのは人道上問題だとの声があり、強権的な手法が目立つエルドアン政権との連携に反対する首脳もいます。また、トルコから送られてくるシリア難民をどこが受け入れるのか、ドイツなどは各国の公平な分担を求めていますが、新たな難民受け入れを拒む国も少なくありません。

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Q4.難民はまだ落ち着くことができそうにないですね。

A.シリアの紛争は6年目に突入し、国外に逃れた人は480万人、国内でも600万人が家を追われ保護を求めています。冬が終われば再び大量の難民がヨーロッパに押し寄せる可能性もあり、EUは新たな混乱を避けるためにも早急に対策を打ち出さねばなりません。そして何よりこれ以上難民を生まないために1日も早い紛争の終結が求められています。対話を通じて和平を実現させることができるかどうか、ロシアは主要部隊を撤退させたとはいえこの地域での影響力の拡大を狙っています。またトルコは難民問題を利用して発言力を強めようとしています。この両国の動きが今後の鍵となりそうです。

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